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博物館・美術館の感想(06)

初回:2015. 1.31


2010年11月16日(火) 「特別展 東大寺大仏 天平の至宝」(東京国立博物館)

 2010.11.16(火)、昨日の夕方から雨で、本日は朝から晴れとの天気予報だったので、朝から完全な青空だったら、高尾山の方へ行こうと思っていたのですが(「一丁平」辺りのモミジは紅葉しているとのことですので)、目が覚めて外を見ると、青空には違いないのですが、かなり、雲が多い状態だったので、急遽、予定を変更して、上野駅近くの「東京国立博物館」で開催されている「特別展 光明皇后1250年御遠忌記念 東大寺大仏 天平の至宝」を観に行くこととしました。と言うのは、この展覧会の開催期間は「10/8(金)〜12/12(日)」と、まだ、十分、期間があるのですが、展示品の内、「正倉院宝物」は「11/2(火)〜11/21(日)」のみであり、もうすぐ、観られなくなってしまうからです。また、現在、本館の裏庭が開放されてることもあります。と言うことで、9:30開館の4分前に博物館前に着いたのですが、既に100名位が並んでいました。そして、9:30より4列縦隊のまま会場の平成館に行き、キップをきってもらってエスカレーターで2階へ行きましたが、ここしばらくは左側の部屋から観るようになっていたのが、平成館の開館当初のように、右の部屋から観るようになっていました。

 さて第1室ですが、屋根瓦の破片ばかりで、全く面白み無しでしたが、それでも、「講堂鬼瓦」は中々、良かったです。第2室の入口には「西大門勅額」があり、その大きさには驚きました。その後は、「伎楽面」が10面程展示してありましたが、奈良時代のものがよくこれだけ綺麗な状態で残っていたものだと感心しました。「誕生釈迦仏立像」は小作りながらも中々のものでした。「灌仏盤」の中に入っており、金メッキが残っているので、光を当てると輝くのがいいです(光の当て方も良かったです)。第3室に行くと、「八角灯籠火袋羽目板」があり、浮き彫りになっている仏像の衣の美しさには感激しました。今回の展覧会で最も素晴らしいものだと思います。そして、「良弁僧正座像」は静かな感じで中々良かったです。大仏殿前にある「八角灯籠」は、圧倒されるような大きさで、実際に、大仏殿の前にある場合は大仏殿の大きさのせいでそれほど感じないのではと思いますが、博物館の中の部屋で観ると、圧倒的な大きさとボリュームでした。また、中に明りがついているのもいいですね。先程の羽目板とこの八角灯籠が、今回の展覧会のハイライトでした。光明皇后に関係ある「お経」4巻 は、保存状態の良さと共に、ううん、書かれている漢字は、1000年以上経った今でも、同じものだなあと妙な感心をしました。

 左側の部屋に入り、まずは、第4室「VRシアター」ですが、そこはとりあえず、通過し、第5室です。ここの半分位は正倉院宝物なのですが、残念ながら、保存状態があまり良くない上、私には全く興味がないものがほとんどです。しかしながら、それでも、「銀壷 乙」の表面の手彫りは中々でしたし、「墨画仏像」に描かれている観音様の生々しさは良かったです。なお、ここには、仏像の光背も展示してあるのですが、2名のお坊さんが光背にお経を上げていたのには驚きました。第6室では、木造の「地蔵菩薩」が優しい感じで良かったですし、「五劫思惟阿弥陀如来座像」の誇張されたアフロヘアが面白かったです。この後は第4室に戻って、映像「体感! バーチャル大仏」を観ましたが、これは前のスクリーンのほか、天井にも映されるもので、その動きのある映像には気分が悪くなりましたが、内容自体はまあまあだったと思います。

 その後は、本館、表慶館、法隆寺館を観ましたが、本館はいつも行きますが、残りの2つは久しぶりに入りました。

 と言うことで、本日は、「八角灯籠火袋羽目板」と「八角灯籠」を観ることができて、大満足です。



2010年10月 2日(土) 「常設展」(渋沢資料館・北区飛鳥山博物館・紙の博物館

 2010.10. 2(土)、本日と明日(10/3)は、王子駅近くの「飛鳥山公園」内にある3つの博物館、すなわち、「渋沢資料館」、「北区飛鳥山博物館」、そして、「紙の博物館」に無料で入れるとのことで、行ってきました。いずれも、入るのは初めてです。

 まずは、「渋沢資料館」ですが、「なるほど、渋沢栄一は色々なことをしたのだなあ」と感心はしましたが、展示品が写真と本や解説文なので、一度、観れば十分と言う感じでした。

 割と良かったのは「北区飛鳥山博物館」で、赤羽駅近くの「赤羽台」には石器時代には人が住んでいて、石器や土器、鉄剣等を残していたのかとか、貝塚は5mもの厚みがあったのかとか、大昔の東京湾は、埼玉県当たりまで深く入り込んでいたので、中里貝塚があったのか等、色々と感心しました。また、王子神社で奉納されている「王子田楽」に関して、その所作等に関する江戸時代の絵付きの文献があったのか、王子神社(江戸時代は王子権現)の絵を見ると、現在とは全く異なっていて沢山の社があったのかとか、平塚神社(江戸時代は平塚明神)の起源絵巻があるとか、ともかく、非常に興味深かったです。

 最後に「紙の博物館」に入りましたが、こちらは現代的過ぎて、私には興味が湧きませんでした。なお、製紙会社にある油絵の展覧会も行われていましたが、魅力的な絵はありませんでした。

 と言うことで、「北区飛鳥山博物館」は再見の価値はあると思います。明日も無料ですので、ご興味ある方はお行き下さい



2010年 9月29日(水) 「上村松園展」(東京国立近代美術館)

 2010. 9.29(水)、地下鉄「竹橋駅」近くの「東京国立近代美術館」に「上村松園展」を観て来ました。この展覧会は、前期・後期に分かれており、両方とも行かないと、全部が見られないためです。と言っても京都会場のみの展示品もありますので、全部が見られる訳ではありませんが。と言うことで、本日は9/28(火)から始まった後期展示です。開館の10分前の9:50分に美術館前に着いたら、すでに30名程が並んでいました。

 そして、9:58頃に中に展示会場に入れ、すぐに、見始めましたが、本日は前回とは異なり、前の方の部屋のもの、すなわち、前期のものの「蜃気楼」(1900年)、「よそおい」(1902年)、「花」(1910年)も意外に良い絵だと思いました。後は「舞仕度」(1914年)、先日も素晴らしいと思った「花がたみ」(1915年)、そして、女性ヌードの「楊貴妃」(1922年)も良かったです。高貴な感じの「汐くみ」(1935年)、「砧」(1938年)、上の空間も素晴らしい凛とした美しさが描かれている「静」(1944年)、本日観た内で最も素晴らしいと思った「春粧」(1935年)、結婚式に出る母と子を描いた「春」(1938年)、秋かと思ったら夏を描いていた「賞秋」(1942年)、色が素晴らしい「庭の雪」(1948年)も良かったです。

 さて、本日は「序の舞」(1936年)が展示されるとのことで、楽しみに行ったのですが、この絵、東京芸術大学に保管してあるためか、顔の部分の変色が激しく、顔が暗すぎてガッカリしました。

 この展覧会、10/17(日)までの開催ですので、ご興味ある方はぜひ、行らしてください。



2010年 9月14日(火) 「絵で見る 江戸の夏」(国立公文書館)

 2010. 9.14(火)、「東京国立近代美術館」を出た後は、「皇居東御苑」に行こうと思って歩いていたら、美術館の隣の「国立公文書館」にて「絵で見る 江戸の夏」展が開催されていたので、見てきました。

 1階の右側のコーナーで開催されていたのですが、見ていたのは私1名のみでした。肝心の「江戸の夏」の絵なのですが、私はてっきり、「色の付いた絵」なのだと思っていましたが、そうではなくて、本(和本)の挿絵でした。ですから、勿論、白黒で、やや太い線画みたいな感じの絵です。勿論、絵自体は、端午の節句の子供達とか、夏の行水や夕涼みの様子、行商の薬屋、冷水売り、スイカ売り、トコロテン売り、屋形船を使った花火見物等が描かれているのですが、全体的にはショボイ感じでガッカリでした。



2010年 9月14日(火) 「上村松園」(東京国立近代美術館)

 2010. 9.14(火)、地下鉄「竹橋駅」近くの「東京国立近代美術館」で開催されている「上村松園」展に行ってきました。ここの開場は10時と遅いので、ゆっくりと家を出て、10時ちょうどに、美術館前に着きましたが、既に、開場していたので、早速、中に入りました。なお、会場は1階のみで、幾つかの部屋に分かれており、大体、製作年代別になっていました。

 と言うことで、感想ですが、特に若い頃の氏の作風なのですが、「浮世絵肉筆画風」なのには驚きました。私は氏の絵は結構、見ているつもりだったのですが、描かれている女性の顔は、おちゃぼ口の遊女風で、これほど、浮世絵風の絵だったことは驚きました。と言うか、私はこの手の絵は好きではないので、今まで見て気に入っていた絵は、氏の作風の例外に属するもののようです。

 この中で良かったのは、狂女を描いた「花がたみ」(1915)、デモーニッシュな感じの「焔」(1918)、十二単の女性が描かれている「伊勢大輔」(1929)、烏帽子姿で凛とした女性を描いている「静」(1944)、これまた、凛とした感じの「古代汐くみ」(1944)、嫁入り姿を描いた「春」(1938)、美しい着物姿で、これぞ日本女性の美しさと言う感じの「春粧」(1935)です。特に、先日も見た「静」はいいですね。なお、残念ながら、「序の舞」は後期(9/28〜10/17)の展示と言うことだったので、後期も見に行く予定です。

 その後は、2階〜4階の平常展も久しぶりに見ましたが、ガッカリするような代物で、このようなものに税金を使うのは全く無駄だと思いました。



2010年 8月13日(金) 「日本美術のヴィーナス」(出光美術館)

 2010. 8.13(金)、有楽町駅近くの「出光美術館」にて「日本美術のヴィーナス」展を観てきました。観客はあまり多くはなかったので、見やすかったです。この美術館、大きく分けて3部屋から成り立っているのですが、まずは、第1室です。ここには、肉筆画の浮世絵みたいな感じの花魁風の女性が描かれた掛け軸が多数、展示されていましたが、浮世絵風の女性の顔って、どうも私の趣味ではありません。

 第2室では、掛け軸と屏風があり、その中では横幅が120cm位あり、横が長い掛け軸「勝川春章:美人鑑賞図」が良かったです。遠近法を使って家が描かれており、そこの庭に面した部屋にいる女性が11名描かれており、正しく「女の園」と言った感じです。

 第3室に行き、まず、非常に細長い掛け軸4幅「上村松園:四季美人図」と掛け軸「上村松園:灯」があり、ホッとした気分になりました。やはり、松園さんはいいですね。ただし、両者とも浮世絵風でしたが。
「菊池契月:朝爽」、「菊池契月:友禅の少女」及び「菊池契月:少女」もやや固い感じですが、清楚な感じがいいです。後、「上村松園:冬雨」も中々、良かったです。
今回、最も良かったのが赤を基調とした掛け軸「伊東深水:通り雨」で、傘をさしている女性を描いているのですが、その強烈な妖艶さが素晴らしかったです。
後、「鏑木清方:たけぐらべの美登利」、「鏑木清方:五月晴」、そして、「鏑木清方:朝妻舟図」も素晴らしく、特に、朝妻舟図の女性が着ている緑色の衣装の色の素晴らしさ、女性の凛とした美しさが素晴らしかったです。

 なお、洋画の常設展示室には、いつも、ルオーの油絵が3点程あるのですが、本日は全部がルオーのものになっていました。

 と言うことで、本日は、「伊東深水:通り雨」と「鏑木清方:朝妻舟図」を観ることができて大満足です。この展覧会、9/12(日)まで開催されておりますので、ご興味ある方はいらしてください。



2010年 7月 7日(水) 「日本の美・発見IV 屏風の世界 その変遷と展開」(出光美術館)

 2010. 7. 7(水)、有楽町駅近くの「出光美術館」で行われている「日本の美・発見IV 屏風の世界 その変遷と展開」展を観てました。開館後20分位経った時、すなわち、10:22に入ったのですが、観客の入り方はまあまあで、非常に観やすい状態でした。この展覧会、表題通り、展示されているのは屏風が主で、それ以外には陶磁器や蒔絵硯箱等がありました。

 さて、感想ですが、まあまあと言ったところでした。この美術館の展示室、大きく分けて3つの部屋に分かれているのですが、最初の部屋「”日本式”屏風の誕生」では、古めのものばかりで、私の趣味のものはありませんでした。2部屋目「物語絵の名場面」では、6曲1双の金屏風「伝 岩佐又兵衛: 三十六歌仙図屏風」は、36名の顔、36の和歌、そして、歌の場面が描かれているもので、素晴らしいものでした。また、大きな蒔絵箱「作者不明:源氏絵色紙散蒔絵硯箱」は最近作ったのではと思う程、保存状態が良い上、蓋部の金色の図柄も素晴らしいもので、欲しくなってしまいました(笑)。

 3部屋目「風俗画の熱気と景観図の大空間」では、大きな南蛮船、そして、白人のほか、黒人も描かれている「作者不明:南蛮屏風」のほか(六曲1双ですが、展示してあったのは左側のもののみでした)、八曲一双の金屏風「作者不明:江戸名所図屏風」がありました。これは、浅草から品川までの町屋や神社仏閣の風景を描いたもので、そこにはものすごい数の町人や武士等が描かれており、その活気が素晴らしいです。風景として、浅草寺、東照宮、湯島天神、神田明神、蔵前、日本橋、銀座、歌舞伎座、愛宕山、増上寺等が描かれており、東照宮、湯島天神等は現在とは異なり、朱色に塗られています。また、現在は暗渠になっている川も描かれおり、川を使って荷物が運ばれている様子も描かれています。ともかく、江戸の活気が観る者に伝わってくる素晴らしい屏風です。本日、観た中で最も素晴らしいものでした。後は最後にあった直径60cm位の大皿「作者不明:色絵美人図屏風文大皿」は唐様の模様で、これも中々、良かったです。

 と言うことで、この展覧会の期間は「6/12(土)〜7/25(日)」で、終了までに、まだ、十分期間がありますので、屏風絵に興味ある方にはお勧めします。



2010年 4月27日(火) 「特別展 細川家の至宝」(東京国立博物館)

 2010. 4.27(火)、上野駅近くの「東京国立博物館」で開催されている「特別展 細川家の至宝 -珠玉の永青文庫コレクション-」に行ってきました。開館の10分前の9:20に着いたのですが、並んでいたのは20名程度で、結局、開館直前に並んだのは40名程度と寂しいものでした。そして、平成館2Fの会場に入ったのですが、ガラガラの上、私の場合は、最初はザッと見ながら一周し、次にゆっくりと見ると言うやり方ですが、最初の一周の際は2つ目以降の部屋では、そこにいるのは私1人かあるいは2、3名と言う状態で見ることができました。

 と言うことで、感想です。まずは向かって左側の最初の部屋ですが、ここには鎧、火縄銃、幡、武将の手紙等が展示されていて、これらは私には全く興味が無いものでした。第2室には、「宮本武蔵:鵜図」がありましたが、ううん、鋭さが無い絵で、これが武芸者の絵??と言う感じでした。しかしながら、この部屋には素晴らしい絵、すなわち、「杉谷行直:富士登山絵図」がありました!! 神社の前に家が沢山並んでいる門前町の様子のほか、当時の富士登山の様子が描かれているのが興味深かったです。草鞋と脚絆、そして、浴衣みたいな感じの着流しと杖を持っての登山で、5合目までは森林地帯を馬に乗って登る様子、5合目以降には石室になっている小屋が幾つかあり、また、登山道は現在のようにジグザクです。その上、砂走り下山道までありました。それにしても、草鞋では足が痛かったでしょうね。また、石室の小屋がありましたが、麓から頂上まで登って戻るまで何日位かかったのでしょうか。それと、あの格好では寒かったでしょうね。この絵以外には、「谷文晁:東海道勝景図」が絵巻が中々、よかったです。これは、幾つもの滝が描かれている非常に長い絵巻物で、それに相当 する現在の滝の写真と比較すると、その変化が興味深かったです。第3室は衣装と能面のほか、茶道具類で、これも私の趣味の範囲外です。向かって右側の第4室は白隠禅師による絵のほか、刀類でしたが、前者は私には気持ち悪い顔ばかりで、見たくないものです。

 そして、第5室になりましたが、何とこれが明治以降の日本画です!! 今までの武家社会はどこに行ってしまったのだと言いたい程の急変で、ものすごい違和感を覚えました。しかしながら、それでも、「川井玉堂:彩雨」(水車小屋が描かれているもの)、「小林古径:髪」、「小林古径:孔雀」、「菱田春草:黒き猫」は中々良かったです。最後の第6室は古代中国、イラン、インド等のもので、こちらもすごい違和感でした。

 と言うことで、この展覧会、良い絵もありましたが、全体的には所謂「実用品」がほとんどであること、なぜか、明治以降の絵画のほか、中国・中近東・ガーーダーラの美術品が展示してあり、それがものすごい違和感でした。このため、本日、最も良かったのは、江戸時代に描かれた富士登山の絵でした。



2010年 3月31日(火) 「常設展」(国立西洋美術館)

 2010. 3.31(火)、本日は「ぐるっとパス2009」の使用可能最終日です。江戸東京たてもの園、多摩動物園、ちひろ美術館等、まだ、行きたかった施設はありますが、次の機会にと言うことで、本日は上野駅近くの「国立西洋美術館」に行ってきました(写真は、前庭のシダレ桜で、奥に「考える人」が写っています)。ここの常設展はいつも企画展を観た後に行くのですが、本日のように常設展のみ行くのは本当に久しぶりです。

 さて、本日は驚くべきことがありました。ここの常設展は、当初は昔からある建物(本館)の1階の一部と2階でしたが、その後、印象派以降の絵画を展示する新館ができ、そこの2階の展示室も見られるようになっていました。それが、2、3年前から本館のみになっていましたが、本日行くと、以前のように新館に入ることができるようになっており、2階の印象派の絵の展示室のほか、1階にも展示室ができ、そこには現代に近い絵画やロダンの銅像等が展示してありました。また、2階には水彩画や素描も展示する部屋も新たにできましたし。ともかく、絵の展示枚数が以前の3倍位になったと思います。

 今回は常設展だけですので、ゆったりした気分で観ることができました。この中では、以下が良かったです。

(1)アドリアーン・イーセンプラント:玉座の聖母子
 小さい絵ですが、聖母が中々いいです。

(2)ジョルジュ・ヴァザーリ:ゲッセマネの祈り
 大きな絵で、中央部に眠っている聖母が描かれていますが、表情がとてもいいです。

(3) カルロ・ドルチ:悲しみの聖母
 青いベールと青い衣装を着ている聖母が描かれており、その悲しそうな表情が素晴らしいです。

(4)グイド・レーニ:ルクレチア
 今の目には太りすぎの女性のヌードですが、表情が良いです。

(5)ジャン・パティスト・パテル:野営
 ワットー風の小さな絵です。

(6)マリー・ガブリエル・パテ:自画像
(7)ジャン・マルク・ナディエ:マリー・アンリエット・ベルトロ・ド・プレヌフ婦人の肖像
 この2枚の絵は、明るい感じで、この美術館の絵の中では最も好きなものです。

(8)ジャン・フランソワ・ミレー:春(ダフニスとクロエ)
 青春と言う感じの絵ですね。

(9)ジャン・パディスト・コロー:ナポリの浜の思い出
 風景画の一種ですが、懐かしい感じがいいですね。

(10)ピエール・オーギュスト・ルノアール:アルジェ風のパリの女たち
 今の目には美人とは言えませんが、異国風の感じがいいです。

(11)ダンテ・ガブリエル・ロセッティ:愛の灰
 ロセッティ独特の表情の女性の絵です。

(12)ポール・ランソン:ジギタリス
 ミッシャ風のポスター風の絵ですが、その装飾感がいいです。

 なお、以前に、行った時は撮影が自由になっていましたが、今回、また、撮影禁止になっていました。撮影自由は新館に入れない間だけの特典だったのでしょうか。

 結局、この「ぐるっとパス2009」を使って、15施設に行ってきました。この切符では常設展・企画展58施設に入れるのですが、1/4しか使うことはできませんでしたが、このキップをもらった時が遅く約20日間しか使用可能期間がなかったので、まあまあと言ったところだと思います。その上、初めて行った施設もあり、そこが結構良かったですし。ですから、もらって大正解だったと思います。



2010年 3月30日(火) 「平城展」(松岡美術館)

 2010. 3.30(火)、桜の撮影後、「ぐるっとパス2009」を使って、地下鉄「白金台駅」近くの「松岡美術館」に入ってきました。ここは「自然教育園」の敷地の隣にあるのですが、入ったのは初めてです。ここは3階建てのビルで、展示室は1階の3部屋、2階の3部屋でした。そして、何とここはストロボやシャッター音は禁止ですが、撮影は可でした。

 1階のエントランスには、ローマ時代の大理石像があり、「ミネルヴァ」と言う像が素晴らしかったです。1階の展示室の内、古代エジプト美術、現代彫刻は私の趣味のものはありませんでしたが、沢山のあるガンダーラの仏像はいずれも素晴らしいもので、これだけの名品をよく集めたものだと感心しました。2階のエントランスには、ひな人形が展示されていました。展示室には多数の陶磁器がありましたが、こちらは私の興味の範囲外で、屏風や掛け軸にも私がいいと思うものはありませんでしたが、10枚位あった油絵の内、「チャールズ・エドワード・ベルジーニ:束の間の喜び」、「チャールズ・S・リッダーディル:少女像」、そして、「ジェール・フィリップ:花籠を持つ少女」は素晴らしいものでした。なお、庭があり、桜が咲いていましたが、残念ながら、空が白っぽくなっていたので、撮影には無理でした。

 と言うことで、この美術館、期待しないで行ったのですが、素晴らしいものが沢山あったのには驚きました。



2010年 3月20日(土) 「常設展」(一葉記念館)

 2010. 3.20(土)、「日暮里駅」より地下鉄「三ノ輪駅」を経由して、「台東区立 一葉記念館」(東京都台東区竜泉3-18-4)に行ってきました。ここは、24歳で亡くなった小説家「樋口一葉」を記念するもので、2006年に3階建てのビルに建て替えられたものだそうです。あ、勿論、今回も「ぐるっとパス2009」を使用しての入館です。

 さて、感想ですが、私は一葉の小説って暗い感じなので好きではなく、一応、読んだのは「たけくらべ」位だと思いますが、意外に面白かったです。と言うのは、氏が出した手紙が全て、巻き紙に毛筆で書いた物であったこと、その文字が非常に綺麗であること、そして、驚くべきことに、小説を書いた原稿用紙には、万年筆等ではなく、毛筆で書いてあったことです。特に、原稿用紙は、毛筆で書いてあるため、四角い1マスに1文字ではなく、3マスに2文字位の割で書かれており、これでは、何のために原稿用紙を使っているのかわからないと思いました。もっとも、このおかげで、文字がまっすぐ書けるとは思いますが。いずれにしろ、短冊等を含めて、氏の文字の綺麗さには感心しました。



2010年 3月17日(水) 「常設展」(書道博物館)

 2010. 3.17(水)、「ぐるっとパス2009」を使用して、鶯谷駅近くの「書道博物館」(東京都台東区根岸2-10-4)に行きました。ここ、何と日暮里のラブホテル街のど真ん中にあるのには驚きました(笑) あ、ここ、初めて入りました。なお、この博物館の前には、正岡子規が住んでいたと言う「子規庵」がありました(なお、この建物は、再建したものだそうです)。

 さて、感想ですが、私は書道は全く趣味ではなく、展覧会等で書道があってもザッと見るだけなのですが、この美術館に行って、初めて、書道も素晴らしいものだと思いました。特に、1階にあった長さ6m程もある掛け軸「中村不折:臨顔真卿裴将軍詩軸」、縦横各2mの掛け軸『中村不折:隷書李白五言律詩「戯贈鄭りつ(さんづい+栗)陽」軸』は古印書体風の文字で、雄魂で素晴らしかったです。また、2階にあった山の中の3階建ての家が描かれている山水画で詩も書いてある掛け軸「中村不折:春景山水図軸」も良かったです。私は中村氏の名前は初めて知りましたが、洋画家で、後に書道も書くようになったそうです。絵の素養があるから、書も素晴らしいのかもしれません。これ以外に、正岡子規、川端竜子、森鴎外及び夏目漱石等の書というか、毛筆で書かれた手紙等もありました。

 私はこれだけかと思いましたが、そうではなく、「本館」もあり、そこには、中国の漢〜唐時代の石碑、墓標、仏像、青銅器等が展示されており、それらも素晴らしいものだったのには驚きました。それにしても、各仏像には「触らないでください。触わられても御利益はありません。」と赤字で書かれていたのには笑ってしまいました。この博物館、今まで行ったっことがなかったことを後悔しました。



2010年 3月16日(火) 「美の饗宴 東西の巨匠たち」(ブリヂストン美術館)

 2010. 3.16(火)、「三井記念美術館」を出た後は、今度は「美の饗宴 東西の巨匠たち」が開催されている「ブリヂストン美術館」(東京都中央区京橋1-10-1)へ。ここは以前に入った記憶があるのですが、入口が1階、展示室は2階であること、部屋が10室、ギャラリーが2つもあったなんてことはすっかり忘れていました。

 さて、感想ですが、全体的にはかなり良い収蔵品がありますね。この中では、

 (1)小さな絵ですが、「ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル:若い女の頭部」
 (2)女の後ろ姿を描いた小さな絵の「カミーユ・コロー:イタリアの女」
 (3)もっと明るければと思いましたが、「カミーユ・コロー:森の中の若い女」
 (4)女性が白い衣装に黒い扇を持っていて、おもしろい効果を上げている「藤島武二:黒扇」
 (5)夕焼けの海の中に塔が建っている島が描かれている「クロード・モネ:黄昏・ヴェネツィア」
が良かったです。

( 6)暖色系の暖かで優しい感じの絵「ピエール・オーギュスト・ルノワール:花のついた帽子の女」
 (7)5歳位の感じの子供を寒色系の青を基調に描いた大きな絵ですが、表情があまり良くはない「ピエール・オーギュスト・ルノワール:座るジョルジェット・シャルパンティエ嬢」
 (8)小さな絵で、顔がぼんやりしか描かれていないので表情がハッキリとは見えない「ピエール・オーギュスト・ルノワール:水浴の女」
はやはり、ルノワールの絵はいいと言う感じです。

 (9)若い娘を描いていて、暖かな感じな「山下新太郎:供物」
 (10)白波がたっている海を描いたもので、青緑の海の色がよい「クロード・モネ:雨のベリール」
も良かったです。

 (11)ミッシャ風のポスター「ジョルジュ・オリオール:ざわめく森」
 (12)ポスター「アンリ・トゥールーズ・ロートレック:エグランティーヌ嬢一座」
 (13)ポスター「アンリ・トゥールーズ・ロートレック:マルセル・ランデール嬢」
 (14)ポスター「アンリ・トゥールーズ・ロートレック:ドイツのバビロン」
はいずれもポスターですが、後3つはロートレックらしくていいですね。

 (15)きりりとした表情で鼓を打っている若い女性を描いた「岡田三郎助:婦人像」
 (16)朝焼けの海に3隻の船が印象派風に描かれている小さな絵「藤島武二:港の朝陽」
も良かったです。

 (17)ルオー風の太い縁取りで描かれている縦60cm位の絵「ジョルジュ・ルオー:ピエロ」
 (18)月夜の町中での男と子供2名を描いている「ジョルジョ・ルオー:郊外のキリスト」
は、昨日、出光美術館で観たものより遥かに素晴らしいです。

 (19)マリー・ローランサン:手鏡を持つ女
 (20)マリー・ローランサン:女と犬
 (21)マリー・ローランサン:二人の少女
はいずれも軽やかな感じでいいですね。

 (22)砂浜と難破船を描いているのでしょうか。濃い青の波と砂浜、そして、よく形がわからないものが描かれている横2mの油絵「ザオ・ウーキー:07.06.85」
現代画ではピカ一でした。

 また、この美術館には、多数の彫像も展示されていましたが、このほか、エジプト、ギリシアの彫刻等も多数ありました。その中では、黒い背景の中に女性と男性が5名描かれている「ヘルクラネウム:壁画断片(ディオニュソス図)」が良かったです。

 と言うことで、この美術館、あまり期待していなかったのですが、意外に良いものが収蔵されていることには驚きました。



2010年 3月16日(火) 「常設展」(三井記念美術館)

 2010. 3.16(火)、「ぐるっとパス2009」を使用して、地下鉄「三越前駅」近くの「三井本館」7Fにある「三井記念美術館」(東京都中央区日本橋室町2-1-1)に行ってきました。この大きなビル、前を通ったことは数え切れない程ですが、この美術館は勿論、ビル自体にも入ったことがないので、初めてです。向かって、左側にある入口より入り、専用エレベーターで7階に行くと、そこが美術館の入口でした。

 さて、ここの収蔵品は茶道具の器等がメインのようです。入ったすぐのところには、重厚な感じの部屋の中にそれらが展示されていました。私は、前述のごとく、陶磁器には興味がないので、それらはさらっとしか見ませんでしたが、縦横各30cm位の金縁の絵が何枚もつながっていて本の形になっている「醍醐冬基:源氏物語画帖」は、左側には繊細な感じの土佐派の絵が、右側には文章が書かれているもので、中々良かったです。

 特別展として、「三井家のおひなさま」が行われており、多数のひな人形やひな道具が展示されていたのですが、その中ではやはり、5段飾りの「永印のひな人形・ひな道具」(浅野久子氏旧蔵品、1934年製作)が最も素晴らしかったです。普通のひな人形のほか、現在のひな人形には見られない立派な紫宸殿まであるものでした。これ以外に、普通の陶磁器や外国の切手もありましたが、こちらは私の興味の範囲外でした。

 と言うことで、この美術館、中味より美術館自体の重厚かつ格調高い感じがいいですね。



2010年 3月15日(月) 「常設展」(古代オリエント博物館)

 2010. 3.15(月)、「ぐるっとパス2009」を使って、池袋「サンシャインシティ文化会館」7Fにある「古代オリエント博物館」(東京都豊島区東池袋3-1-4)に行ってきました。ここには古代オリエント、すなわち、エジプト、メソポタミア、イラン、パキスタン、インドのものが展示されていました。私は古代オリエントのものって、エジプトを含めて、私には気持ち悪いものが多いので好きではないので、ここに入るのは初めてです。

 さて、感想ですが、まず、縦横1m位の「ロゼッタストーン」の複製がありましたが、確かに2種のエジプト文字とギリシア文字が彫られていて、なるほど、これを比較すれば、エジプト文字が解読ができるなあと納得しました。それにしても、私の興味の範囲外である展示品には壷が多かったのには参りました。今回観て最も感心したのは、紀元前3000〜1000年頃のシリアで作られた「アミュレット(護符)」です。大きさは2,3cmと小さなものですが、カエル、魚、牛、羊、鳥、象、豹、ハリネズミ、キツネ、ライオン、犬、猪、カメ、蛇、サソリ等の動物の形をしたもので、今でも十分に通用する具体的な形のものです。後、紀元前2000〜3000年のメソポタミアで作られた「印章」、これは文字ではない動物の形の印なのですが、これも中々でした。また、粘土の上に転がして押す「円筒形の印章」も興味深かったです。シリアのガラスの器もありましたが、残念ながら変質していて、濁ってしまっていました。やはり、正倉院に保管されているガラス器は大したものです。アレキサンダー大王がシリア等を攻めたことから、ギリシアに文化が入ったそうで、ヘラクレスの大きな胸像やギリシアの神々 の像も、明るい感じで中々でした。後は、ガンダーラの仏像もあり、その中では60×60cmの石の浮き彫り「仏陀説法図」が大したもので、これがこの博物館では最も素晴らしいものでした。



2010年 3月14日(日) 「麗しのうつわ 日本やきもの名品選」(出光美術館)

 2010. 3.14(日)、映画「ハート・ロッカー」を観た後は、「ぐるっとパス2009」を使うために、有楽町駅近くの「帝劇ビル」9Fにある「出光美術館」(東京都千代田区丸の内3-1-1)に。現在は私に興味が無い焼き物の展覧会、すなわち「麗しのうつわ 日本やきもの名品選」展ですが、キップの消化のためには仕方がありません。

 さて、感想ですが、展示されているほとんどが陶磁器で、残りの一部としては、屏風が3双ありましたが、いずれも、大したものではありませんでした。しかしながら、それでも、箱、すなわち、梟が彫られている「小川破笠:柏に木莵蒔絵料紙箱」と、顔が向こうを向いている兎を描いた「小川破笠:春日野蒔絵硯箱」、そして、「荒磯蒔絵十種香道具」は中々良かったです。後、陶磁器では、縁が付いた四角い皿に絵が描かれている「尾形乾山:色絵定家詠十二ヵ月和歌花鳥図角皿」や「尾形乾山:色絵百人一首和歌角皿」、山水画描かれている「尾形乾山:銹絵楼閣山水図八角皿」、竹が描かれている「尾形乾山:絵竹図角皿」(絵は尾形光琳)はまあまあでした。なお、常設展示品ではルオーの油絵が3点程ありますが、国立西洋美術館にあるものの方が、遙かに素晴らしいと思います。

 と言うことで、最も良かったのは、皇居を見下ろすことができる休憩室で、無料のお茶を飲むことができたことでしょうか(笑)。



2010年 3月13日(土) 「常設展」(台東区立下町風俗資料館)

 2010年 3月13日(土)、「東京都美術館」を出た後は、上野公園を通って、不忍池そばの「台東区立 下町風俗資料館」(東京都台東区上野公園2-1)に。勿論、「ぐるっとパス  2009」を使っての入場です。ここに入ったのは、これで3回目です。でも、以前の内容はすっかり忘れていましたので、新鮮な気持ちで見ることができました。ここの1階は大正時代の下町の街並みを再現しているのだそうで、それにしても、長屋の部屋の中は狭いです。4畳半位の部屋に一家、すなわち、夫婦や子供が住んでいたのですね。

 2階は銭湯の番台付近が再現されていて、大昔、下町の銭湯に通っていた私には懐かしいものでした。これ以外に色々と細かい物が展示されていて、古写真も多数あり、その中では東京駅が素晴らしかったです。やはり、昔の東京駅のドームは現在より遙かに美しかったのですね。

 ここには昔使われていた古いものが沢山ありますので(オモチャ類はいじれますし)、ご興味ある方はぜひ、お出かけ下さい。



2010年 3月13日(土) 「ボルゲーゼ美術館展 ルネサンスからバロックへ 美の饗宴」(東京都美術館)

 2010. 3.13(土)、本日は、朝から暖かな上、かなりもやった感じの青空で、撮影にはとても適しているとは思えなかったので、、あずは、「上野公園」内の「東京都美術館」で開催されている「ボルゲーゼ美術館展 ルネサンスからバロックへ 美の饗宴」に行きました。開場の10分後の9:10に入ったのですが、土曜になのに中はガラガラで、もっと混んでいるのではないかと思っていた私は意外に思いました。と言うことで、ゆっくりと丁寧に見ることができました。

 さて、感想ですが、会場は地下、1階、2階の3つに分かれており、まずは地下です。テンペラ画かと思った絵が2枚ありましたが、これらはモザイク画だそうで、「マルチェッロ・プロヴェンツアーレ:オルフェウスの姿のシピオーネ・ボルゲーゼ」が挿絵みたいな感じで中々、面白かったです。また、私には興味が無い建物が描かれている版画が数枚のほか、胸があり女性ではないかと思うような感じのヌードの「作者不詳(ウンバリアの画家):聖セバスティアヌス」、大きな円形の絵「サンドロ・ボッティチェリとその弟子たち:聖母子、聖ヨハネと天使」、固い表情の「ラファエロ・サンツィオ:一角獣を抱く貴婦人」、「模写:レダ(レオナルド・ダ・ヴィンチ)」等がありましたが、いすれも私の趣味ではなく、まあまあだったのは、着ている衣装が素晴らしい「アルキータ・リッチ:支倉常長像」の大きな絵が一番でした。

 1階は大きな油絵ばかりで、ここが今回の会場では一番でした。最も素晴らしかったのが「シピオーネ・プルチォーネ:聖ヨハネと聖アンナのいる聖家族」で、マリアの表情が素晴らしかったです。この他では、ヴィーナスが少し太りすぎですが、「パリス・ボルドン:ヴィーナス、サテュロスとキューピッド」、マグダナのマリアでしょうか、彼女の表情が素晴らしい「作者不詳(ガローファロの追随者):我に触れるな(ノリ・メ・タンゲル)」、半身像で現代にも通じる表情の美しさの「メケーレ・ディ・リドルフォ・デル・ギルランディオ:レダ」がまあまあの絵でした。そして、2階も大きな絵ですが、これは地下と同様に私の趣味の絵はありませんでした。

 と言うことで、本日は、空いていたのでゆったりとした気分で1階の絵を観ることができたので、大満足です。なお、この展覧会は4/4(日)まで開催されていますので、ご興味ある方はご覧下さい。



2010年 3月12日(金) 「常設展」(新宿歴史博物館)

 先日、都内にある56の博物館・美術館が入れると言うキップ集「ぐるっとパス2009」をもらったので(なお、これ以外に割引キップも付いています)、本日より、使い始めました。あ、このキップ集は、使い始めから2ケ月間が有効期間なのですが、使用可能最終日は年度の終わり、すなわち、3/31(水)となりますので、残り3週間です。この3週間の間に何ケ所に行けるのでしょうか。と言っても、このキップは2,000円ですので、5,6施設に行けば、十分に基がとれるので、それほど頑張るつもりはありませんが。

 と言うことで、「新宿御苑」で撮影した後に、地下鉄「四谷三丁目駅」より徒歩7分位の所にある「新宿歴史博物館」(東京都新宿区三栄町22)に行きました。ここは、初めて入りました。ドアを入った所のキップ売り場で、このキップ集を渡して、有効試験3/31の判子を押してもらい、そして、地下の展示室に。驚いたのは、立派な縄文式土器がいくつもあったことで、まさか、大昔の新宿区からそのようなものが出土していたとは全く知りませんでした。その上、小さな銅鐸もありましたし。そして、私に興味がある「富士塚」に関する展示もありました。冨士講の人達の使った道具類のほか、今は壊されてしまった富士塚の写真もありました。また、実物大の蔵造りの商家があり、内部の様子もわかるようになっています。今は3月ですので、雛人形も飾られていました。このほか、石で造られた高さ30cm位の板碑、新宿の映画館、古い写真、文学関係、都電みたいな感じの電車等もあり、中々、興味深い博物館でした。



2010年 3月 3日(水) 「没後400年 特別展 長谷川等伯」(東京国立博物館)

 2010. 3. 3(水)、昨日昼頃の天気予報だと「本日は晴」とのことでしたが、夕方の天気予報では「朝方は曇り、9時過ぎから晴れ」と変更になり、本日はそれがほぼ当たって、朝方は雲がかなり多い白っぽい青空となりました。朝から青空だったら、「京王百草園」に梅の撮影に行くつもりだったのですが、これでは撮影する気にならないので、上野駅近くの「東京国立博物館」の「没後400年 特別展 長谷川等伯」展に行くこととしました。開館の5分前の9:25に東京国立博物館の門前に着いたのですが、既に100名強の人が並んでおり、私の後ろもドンドン、増えて行きました。そして、時間通りに開門、そして、列をあまり崩さずに平成館まで進み、50名位づつ中に入りました。私は2回目の回で中に入り、エスカレーターで2階に行き、そして、左側の部屋に行きましたが、まずは、掛け軸が沢山並べられている部屋で、既に、列が二重位になっていました。

 と言うことで、感想ですが、エスカレーターの左側の部屋は大きく3つに別れているのですが、最初と次の部屋は所謂仏画で、僧や仏様の絵ばかりで、私の心に来るものは全くありませんでした。このため、列の後からサツと観るだけで過ぎ、三部屋目に。ここは金碧画、すなわち、金屏風なのですが、この中では「楓図壁貼付」の太い楓の木の幹が中々、良かったです。また、「松に秋草図屏風」の木槿の花も中々でした。

 エスカレーターの右側の部屋に行くと、ここも3つの部屋に分かれていて、最初の部屋は水墨画なのですが、これも心を響くものはありませんでした。しかしながら、次の部屋には、高さ10m幅6mもある掛け軸「仏涅槃図」の大きさと鮮やかな色彩は圧倒的でした。そして、この部屋の残りは水墨画で、その中では雪舟風の雄魂な山水画「山水図襖」は今までの不満を一気に吹き飛ばすような素晴らしさでした。この絵を観て、今までの不満が吹き飛ぶような心持ちになりました。すなわち、この絵がこの展覧会では最高だったと思います。この部屋には、このほか、竹林の側で鶴が鳴いている姿を描いている「竹鶴図屏風」、可愛らしい丸顔の猿が描かれている「枯木猿猴図」、そして、イタチみたいな顔をしているユーモラスな感じの虎が描かれている「竹虎図屏風」も中々良かったです。そして、最後の部屋は雨で木が霞んでいる様子を描いている「松林図屏風」で、これも中々と言うか、先程の「山水図襖」の次に良かったです。松林図はこれ以外に「月夜松林図屏風」及び「檜原図屏風」もあり、こちらも中々でした。

 なお、その後、最初の部屋に戻って、再度、観たのですが、その時には最初の部屋は五重位の列になっていました。

 それにしても、これらの絵は400年以上前に描かれたものと言うのに、状態が非常に良いものが多く、また、数が残っているのには驚きました。



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