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博物館・美術館の感想(05)

初回:2015. 1.31


2009年11月29日(日) 「ユートピア 描かれし夢と楽園」(出光美術館)

 2009.11.29(日),有楽町駅近くの「出光美術館」にて,「ユートピア 描かれし夢と楽園」展を観てきました。日比谷公園でのモミジの紅葉の撮影後,開場の5分後の10:10に「帝国劇場」があるビルの9階にある「出光美術館」に着いたのですが,入っていた観客は10名にも満たない状態でした。

 さて,感想ですが,最初の方の展示品を除いて,保存状態が良いものが多かったのは良かったのですが,「ユートピア」と言うテーマが漠然としているせいか,展示しているものが雑多な感じで,統一感はあまり感じられませんでした。今回の展示品で最も素晴らしかったのは,「伝 俵屋宗達:四季草花図屏風」で,ピンク色のバラみたいな花がものすごく沢山描かれている非常に華やかな金屏風で,四季と言うより「春」そのものと言う感じの絵です。かなり異国風で,西洋の油絵の影響を受けている感じがしましたが,このような感じの屏風は初めて見ました。その次は,「山本梅逸:四季花鳥図屏風」で,白地の屏風に墨絵風をメインとし,一部,淡い色がついており,鶴,孔雀,松等が描かれているものです。そして,最初の方にあった「斎藤秋圃:涅槃図」は,釈迦の亡くなる場面の筈なのに,悲しさを感じさせない小林一茶風の漫画が面白かったです。

 上記以外では,沢山の鹿が描かれている大きな壺の「景徳鎮製:粉彩百鹿文双耳篇壺」,鶴・松・牡丹の花が描かれている金屏風「狩野永納:遊鶴図屏風」,遊女達の花見を描いて華やかな屏風「作者不明:桜下弾弦図屏風」,大胆な図柄の掛け軸「鈴木其一:秋草図」,沢山の朝顔の花が咲いている風景かと思ったらそうではなくて,菊の花で,また,ススキの穂も描かれている華やかな中に寂しさがある金屏風「俵屋宗雪:秋草図屏風」,そして,橙色の梅の花が描かれている非常に大きな徳利「肥前窯製:色絵梅竹文徳利」も中々良かったです。

 と言うことで,行った甲斐があった展覧会でした。特に「伝 俵屋宗達:四季草花図屏風」の華やかさは秀逸でした。



2009年11月16日(月) 「皇室の名宝 2期」(東京国立博物館)

 2009.11.16(月),本日は先日も行った上野駅近くの「東京国立博物館」で開催中の企画展「皇室の名宝 -日本の華 2期 正倉院宝物と書・絵巻の名品」を再度,観てきました。この展覧会の開催期間は11/12(木)〜11/29(日)の約2週間と短いですが,何と休館日無しで開催されています。本日は月曜日で,普通でしたら休館日ですので,観に来る客も少ないと思って行ったと言う訳です。それでも,早く行った方が良いと思って,博物館前に開館30分前の9時に着いたら,既に20名位が並んでいました。そして,9:25に開門し(この頃には,並んでいるのは100名位になりました),並んでいる4列のまま進んで平成館にむかいました。そして,9:29より会場に入ることができました。

 左側の部屋は正倉院に納められているものが大部分でしたが,その中では,(1)裏面が螺鈿細工の鏡,同じく(2)裏面が七宝細工の鏡,そして,(3)螺鈿細工の琵琶 の3つが素晴らしかったです。(3)には貝殻で2匹の亀が描かれているのですが,この琵琶は中近東で作られたのでしょうから,もしかして,亀は生命の水の象徴なのでしょうか。それとも,日本のように長生きの象徴なのでしょうか。

 右側の部屋の絵巻物では,(4)高階隆兼:春日権現験記絵巻,(5)絵師草紙,(6)蒙古襲来絵詞 が素晴らしかったです。(4)は大工さんの色々な作業の様子がいいですし,(6)は歴史の教科書にも引用されている有名なものですが,その部分以外に,蒙古軍では槍が主力であるような描写があること,日本軍では鎧姿の凛々しい多数の武士が描かれており,この武士の描写は素晴らしかったです(弓は両軍が使っているようです)。金屏風では,(7)狩野探幽:源氏物語図屏風,(8)狩野探幽:井手玉川・大井川図屏風 がすがすがしい美しさでした。特に(8)は平安貴族の旅行を描いたものと,筏流しが描かれていました。後は,絵巻物の(9)狩野永納:寛永行幸絵巻 も多数の人々が描かれていていいです。

 それにしても,本日は,先日とは異なり,ゆったりした気分で観ることができたのが,最も良かったです。勿論,一通り観て,また,最初に戻ると,大分,混んできましたが,それでも,列は先日とは異なり一重でしたし,列はかなりとぎれた状態でした。ともかく,本日,早めに来て良かったです。

 「第1期」の時もそうだったのですが,この展覧会は保存状態が非常に良いものばかりだったので,十分な見応えがありました。日本美術の展覧会では,保存状態の悪いものが多いのですが,いつもこのように綺麗なものを観たいです。



2009年11月12日(木) 「皇室の名宝 2期」(東京国立博物館

 2009.11.12(木),本日は「天皇陛下御即位20年」とのことで,上野駅近くの「東京国立博物館」で本日より開催の企画展「皇室の名宝 -日本の華 2期 正倉院宝物と書・絵巻の名品」が入場無料です。このため,この展覧会の前売入場券を持っているにもかかわらず,行ってきました。昨日は1日中,雨でしたが,本日は朝,目が覚めた時は止んでいました。しかしながら,気温は昨日よりかなり下がった感じです。そして,家より45分ほど歩いて,博物館前に行くと,開場の15分前なのに,既に門が開いており,ドンドン,人が中に入っている状態です。と言っても,まずは,門前の列の最後に4列に並びます。列はドンドン進み,門より入ってもドンドン進みます。こりゃあ,もしかして,平成館は既に開場しているのかと思ったらそうではなくて,平成館の前の広場に何回も折り返しながらの列になり,そして,止まってしまいました。9:30に入場開始となり,しばらくすると大きく進み始めました。その後,2分おきに30名程づつ程入場させると言う方法となり,少しづつ進み,10:05にようやく中に入ることができました。

 エスカレーターで2階に上がると,混んでいるので前半が展示されている左側の部屋からではなく,後半が展示されている右側の部屋から観て欲しいとのことで,右側の部屋から観て,そして,次に左側の部屋を観ました。しかしながら,ともかく,ひどい混雑です。特に,左側の部屋は,細かいものが多いので,観ている人が三重,四重となっており,展示品をほとんど観ることができません。このため,来週あたりに再度来ればいいやと言うことで,大きなもののみを観ることとしました。

 と言うことで観たのは,まず,「聖徳太子像」で,これは大きな掛け軸になっているものですが,意外に聖徳太子が弱々しく感じました。次は螺鈿細工の丸い胴の琵琶で,これは素晴らしいもので,これを観るだけでも本日来た甲斐がありました。後は,裏面が螺鈿細工の円鏡,これも非常に美しいものでした。後は,江戸時代のものですが,絵巻物「寛永行幸図巻」(狩野永納)も良かったです。ともかく,本日は入場制限しているとは言え,それでもあまりの人の多さにヘキヘキとしてしまい,これらを観るだけで終了としました。

 なお,この博物館の前庭の木々は昨日からの気温の低下によるのでしょうが,紅葉・黄葉が進んでいました。

 と言うことで,来週,また,観に行きたいと思います。なお,本日は,門より入る前は「待ち時間は40分」と言うことだったのですが,実際は50分でした。しかしながら,11時前に門を出た時は「待ち時間は100分」となっていました。



2009年10月15日(木) 「皇室の名宝 1期 永徳,若沖から大観,松園まで」(東京国立博物館

 2009.10.15(木),上野駅近くの「東京国立博物館」で開催されている「御即位20年記念特別展 皇室の名宝 1期 永徳,若沖から大観,松園まで」を観て来ました。博物館前に開場の3分前の9:27に着いたのですが,既に門は開けられ,前庭に列が作られており,100人位の人が並んでいました。そして,すぐに列のまま移動が始まり,会場の平成館前でしばらく待ち,9:30過ぎにようやく中に入り始めました。勿論,その時には,私の後ろも長蛇の列です。

 さて,感想ですが,よく,これだけの名品を集めたものだと感心しました。また,保存状態も非常に良いものばかりです。今回の展示品の大部分を収蔵している「皇居東御苑・三の丸尚蔵館」には時々,行きますが,いつも新しいものばかりで,これだけ素晴らしいものは観たことはありません。特に素晴らしかったのが,第1室で,そこにあった金屏風は圧巻でした。特に,「狩野永徳・狩野常信:唐獅子図屏風」,「伝狩野永徳:源氏物語図屏風」,そして,南蛮屏風である「万国絵図屏風」が圧巻でした。第2室は鳥の絵が中心で,幅が広い掛け軸のような感じのものでしたが,クジャクや鶏を描いたものが見事でした。第3室は掛け軸が中心でしたが,水準は高いがあまり観るべきものは無し,反対側の部屋に行った第4室以降は,新しいものや工芸品が多く,明らかに質が落ちていました。

 と言うことで,これだけの水準の展覧会は滅多にないと思いますので,ご興味ある方は絶対に行くべき展覧会だと思います。



2009年 7月29日(水) 「伊勢神宮と神々の美術」(東京国立博物館)

 2009. 7.29(水),「東京国立博物館」で開催されている「第62回式年遷宮記念特別展 伊勢神宮と神々の美術」を観てきました。9:30開場の5分前に門の所に着いたら,20名程の人が列を作って待っており,そして,定刻に開場,中庭を歩いて平成館に行きました。今回は,いつもとは異なり,そこの2階に左右の部屋を使うのではなく,右側の部屋のみを使い,左側は「染付 −藍が彩るアジアの器」が開かれており,キップを切る場所も1階の右側エスカレーターの前ではなく,2階になっていました(このため,左側のエレベーターは下り専用ではなく,上り専用になっていました)。

 さて,感想ですが,まあ,期待していなかったのですが,やはり,その通りだったと言うところでしょうか。今回の展覧会,全部で4部屋あったのですが,まずは,最初の部屋は文書が多過ぎです。私はこの手のものが苦手で,ほとんど観ません。この部屋で驚いたことは,仏像が多いことで,多分,神仏混淆の時代だったためなのでしょうね。その中では,「三重・明星寺」の「薬師如来坐像」が素晴らしかったです。それと絵巻物「東大寺大仏縁起絵巻」(絵:芝琳賢,詞:後奈良天皇)も中々良かったです。また,もう1つ驚いたのは,屏風「伊勢参詣曼陀羅」で,その中に伊勢神宮の内宮と外宮が描かれているのですが,現在とは異なり,いずれも朱色に塗られている上,社が横に3つづつ並んでいるのです。ううん,内宮も外宮も20年毎に建て替えられ,同じものが造られると思っていたので,16,17世紀には現在と全く異なっていたとは思いも知りませんでした。 第2室は古過ぎるものばかりで,これもほとんど興味はわきませんでした。第3室は昭和以降に奉納されたもので,繊細な装飾のある太刀が素晴らしかったです。第4室は神々の木像が多数あったのですが,いずれも,中国風なもの で,違和感を覚えました。

 なお,観客の入りですが,前回の「国宝 阿修羅展」の時とは観客が非常に少なく,私は先頭集団で会場に入ったせいもありますが,第3・4室にいたのは私1人と言う状態でした。

 と言うことで,この展覧会は「2009. 7.14(火)〜2009. 9. 6(日)」に開催されているので,時間があり余っている方は,行かれてもよいものだと思います。



2009年 6月19日(金) 「日本の美・発見II やまと絵の譜」(出光美術館)

 2009. 6.19(金),日比谷公園を出た後は,帝国劇場のビルの9階にある「出光美術館」にて,「日本の美・発見II やまと絵の譜」展を観ました。ここは久しぶりに入りましたが,休憩室には相変わらず,無料の給茶機が3台と多数のソファーがあり,ゆっくりと休めるようになっていました。

 さて,感想ですが,素晴らしかったです!! 出品されているのは,掛け軸,屏風,絵巻物等ですが,その半分位が,私の趣味のものであったことは極めて珍しいです。その中で,最も素晴らしかったのが,八曲一双の大きな金屏風の「作者不詳:江戸名所図屏風」で,これには江戸時代の有名な建物,すなわち,上野の寛永寺・東照宮・不忍池,浅草寺,湯島天神,神田明神,天守閣を含めた江戸城,日本橋,歌舞伎座等が描かれているほか,吉原や隅田川を含めた,江戸の広大な地域が描かれています。そして,その建物の大部分は,現在もありますが,やはり,現在のものとは全くと言って良いほど,異なっているのには驚きました。特に,神田明神には三重塔が描かれていますし,建物の色も朱色が多く,形を含めて現在のものとは異なります。もし,明治以降に残っていても,関東大震災や米国の焼夷弾により焼かれてしまったのでしょうね。。また,歌舞伎座は,平土間には屋根が無く,屋根は舞台と平土間の後の桟敷席にしかありません。すなわち,歌舞伎は青空の下に行われていたのですね。そして,吉原では,遊女達が二階で顔見せを行っている様子が描かれています。ともかく,観れば観 るほど興味が湧いてくる屏風です。

 後は,六曲一双の金屏風「狩野探幽:源氏物語 賢木・澪標図屏風」の秋の風景と,海岸の風景も良かったですし,七福神の神々が描かれている「岩佐又兵衛:職人尽図巻」,色彩が綺麗な絵巻物「菱川師宣:江戸風俗図巻」及び「英一蝶:四季日待図巻」,周りが金で縁取られた画集「狩野探幽:定家詠十二ヶ月和歌花鳥図画帖」,そして,何と役行者と沢山の虎が説教を聴いている場面を描いている「神於寺縁起絵巻断片」も素晴らしかったです。

 それにしても,この美術館,ゆっくり観ても疲れない位のちょうど良い大きさでの上,今回の展覧会はこれだけの名品が観られるのですから,絶対のお勧めだと思います。なお,この展覧会の期間は6/6(土)〜7/20(月)です。



2009年 6月11日(木) 「上村松園/美人画の粋」(山種美術館)

 2009. 6.11(木),地下鉄「九段下駅」近くの「山種美術館」にて「没後60年記念 上村松園/美人画の粋」展を観て来ました。12時頃に入場したのですが,観客の数はちょうどよい状態で,ゆったりとした気分で観ることができました。

 上村松園の絵では,「桜可里」,「春のよそをひ」,「砧」,「つれづれ」及び「詠哥」の5枚が,特に素晴らしかったです。氏の絵は,何と言っても,優しい感じの色彩と女性の表情がいいですね。この5枚を観ることができただけでも,本日,小雨の中を観に来た甲斐がありました。後は,「村上華岳:裸婦図」の原始的な感じの中の優しさ,「伊東深水:雪中美人」のとても雪景色ととは思えないような華やかさ,「伊東深水:吉野太夫」のききりとした美しさ,「橋本明治:秋意」のルオー風の太い線を使った絵,そして,「青山亘幹:舞妓四題より正月」の金泊を背景にした黒い着物の女性像が素晴らしかったです。

 それにしても,この美術館,非常に狭く,今回も,日本画,洋画,浮世絵等合せて59枚しか展示されていなかったのですが,今年の10月より地下鉄「広尾駅」近くに引っ越すそうですので,今までより広くなったら良いのですが。

 なお,今回の展覧会の開催期間は「5/23(土)〜7/26(日)」ですので,ご興味ある方はぜひ,行かれて下さい。



2009年 4月18日(土) 「LOUVREルーブル美術館展 美の宮殿の子どもたち」(国立新美術館)

 2009. 4.18(土),本日は「朝は曇り,その後,晴れ」との天気予報だったことと,隣のビルの外壁の塗り直しのため,昨日より足場を組み立て中で,その間にぶつけられたりしたら大事になるので見張りが必要とのことで,11時頃までは家にいたのですが,足場の組み立ても一通り終わったことと,この頃になっても曇り状態だったので,予定だった「西新井大師」での「牡丹」の花の撮影は諦め,地下鉄「乃木坂駅」近くの「国立新美術館」で開催されている「LOUVRE ルーブル美術館展 美の宮殿の子どもたち」を観て来ました。と言う訳で,いつも開場と同時に入る私としては珍しくも11時半頃に入ったのですが,あまり人気が無いのではと思っていたので,観客が結構いたのには驚きました。勿論,先日の「国宝 阿修羅展」に比べればどうってこともありませんが。

 さて,感想ですが,私が好きなのは油絵で,それ以外のもの,すなわち,彫像,メダル及び堀物等が多いのには参りました。それも小さい物は3cm位しかないものですし。後,私が好きではないエジプト関係のものも多かったのも残念です。

 と言う事で,本当に良かったのは油絵「ジョシュア・レイノルズ:マスター・ヘア」(1788年)位でした。と言っても,これ,てっきり少女を描いているのだと思いましたが,解説を読むと,当時の英国では男の子は5歳位まで女の子として育てたのだそうで,描かれていたのはドレスで女装した男の子でした(笑)。ただし,構図としては上が空き過ぎですし,上に黒いものがあると重く感じるので,これも,少なくすべきだと思います。もし,私が撮影したとしたら,この絵の構図のものは「捨て」ですね(笑) 後は,油絵「ティツィアーノ・ヴェチェッリオ:聖母子と聖ステパノ,聖ヒエロムス,聖マウリティウス」(1517年頃)がまあまあでしたが,聖母は現代人の目から見れば太り過ぎだと思います。そして,油絵「ジャン・オノレ・フラゴナール:子供を抱く若い女性」は我慢できる程度でした。

 と言う事で,この展覧会,3/25(水)〜6/1(月)に行われているものですが,余程,暇な人以外は,わざわざ,観に行く必要は無い種類のものだと思います。



2009年 4月 8日(水) 「興福寺創建1300年記念 国宝 阿修羅展」(東京国立博物館

 2009. 4. 8(水),本日は午後から曇りとなるとの天気予報だったことと,染井吉野桜もそろそろ終わりとのことから,上野駅近くの「東京国立博物館」で開催されている「興福寺創建1300年記念 国宝 阿修羅展」を観てきました。平日だからそんなに混む訳ないと思って,開門直前の9:27に門前に着いたら,既に,開門していたので,すぐにキップを見せて中に入ると,展覧会場の平成館の前には300名位の列ができていました。その上,入場制限を行っており,1度に50名位しか入館させません。いつもなら,この時間に来ればすぐに入れると言うのに,本日は,結局,15分程待って,ようやく,建物の中に入ることができました。

 そして,キップを切ってもらい,エスカレーターで2階に上がると,今回から,また,以前のような半時計周りに戻ったようで,エスカレーターづたいに戻り,そして,第1会場の最初の部屋に。しかしながら,そこは,ウィンドウに小物が並べられているようで,ものすごい混み方の上,全く前に進みません。このため,ここの部屋を観るのは諦め,次の「八部衆・十大弟子像」の部屋に。ここはさすがに大きな像が多いですので,観易かったです。ここにあるのは,異国的な神々と言うか仏様なので,全体的に私の趣味ではありませんでした。そして,3つ目の部屋に行くと,本日のハイライトの「阿修羅像」がありました。ここはぐるりと回りながら見ることもできるのですが,ほぼ等身大の大きさの像ですので,少し離れた場所から見るので十分です。

 それにしても,素晴らしいです。これほど美しい像は初めて見ました。ただし,実際の色とは異なるように見える光の当て方をしているようです。すなわち,写真で見る阿修羅像は茶色ですが,ここでは,像全体が薄い金色に光っており,ものすごい美しさと優しさでした。ともかく,素晴らしいです!! ずうっと眺めていたいような美しさです。像の後ろからも見ましたが,やはり,正面から見るのが一番でした。

 ここを出た後は,反対側の第2会場の最初の部屋に。ここには中金堂に安置してあった仏像があります。まずは,4体の大きな仏像があり,それも素晴らしかったのですが,奥にあった金色の薬王菩薩立像と薬上菩薩像の何とも言えない気高さは,畏敬の念に満ちる程,素晴らしかったです。こちらは阿修羅像の優しさとは異なりますが,自然に頭を垂れるような荘厳さです。

 私は展覧会では,最後まで見て,そして,戻りながら見て,また,最後まで見ると言う3回見が普通なのですが,この展覧会では阿修羅像の所が一方通行のため,最初から見るのを3回行い,この展覧会を堪能しました。それにしても,上記の3体は何回でも見たいです。本日は,その後,勿論,本館も観たのですが,阿修羅像と薬王・薬上菩薩像のあまりの素晴らしさに,いつもとは異なり,本館のものは随分,格下のものに見えました。

 それにしても,この展覧会,見に行って良かったです!!



2009年 3月23日(月) 「宗祖親鸞聖人 七百五十回 御遠忌記念 東本願寺の至宝展」(日本橋高島屋)

 2009. 3.23(月),木蓮の花の撮影後,更に南下して,「日本橋高島屋」百貨店に。ここの8階にて,「宗祖親鸞聖人 七百五十回 御遠忌記念 東本願寺の至宝展」が開催されているからです。それにしても,平日の昼間の百貨店って空いていますね! 各階の内,この展覧会が最も混んでいました。と言っても,十分にゆっくりと観ていられる程度の客数でしたが。

 さて,今回の展覧会,全体的に大きなものが多く,見応えがありました。最初の方の江戸時代位のものこそ,さすがに保存状態が良くはありませんでしたが,明治以降のものは非常に良い状態でした。

 今回の中では

 (1)丸山応挙:稚松図,竹雀図(金箔の襖絵)
 (2)丸山応挙:老上図(墨絵,襖)
 (3)望月玉泉:梅花図,松藤花図(金箔の衝立)
 (4)望月玉泉:安養六種図(金箔の襖絵)
 (5)久保田米僊:波涛大鷹図(衝立)
 (6)岸竹堂:桜孔雀図(襖絵)

が素晴らしく,特に,(5)の横幅が3m弱もあろうかと言う大きな衝立に,波に囲まれた岩にとまっている大きい鷹が描かれていたものは圧巻でした。これを観ることができただけでも,来た甲斐がありました。

 それにしても,展示されている襖も衝立も大きいことには驚きました。面積的に,普通の2倍ではきかないのではないでしょうか。



2009年 3月 8日(日) ”『日本大判写真展』2009”(東京都美術館)

 2009. 3. 8(日),本日は「越生駅」より徒歩40分位のところにある「越生梅林」にて無料の「モデル撮影会」があり(と言っても,梅林への入場料200円はかかるのですが),参加予定のモデルさん3名の内,福永愛美さんと言う方が結構綺麗そうだったので,行くつもりで準備していたのですが,朝,起きると,昨日の天気予報通りに今にも雨が降りそうな感じの薄暗い曇りで(一応,外付のストロボも用意したのですが),これでは行って,もし,モデルさんを撮りたくなかった場合は,花の撮影も無理と言う状態の上,撮影会費は無料でも交通費や入場料を入れると約2,000円必要(池袋駅−越生駅間:片道700円,家−池袋駅,越生駅−梅林入口バス停,入場料:200円)と言うことで,行く気が急に失せてしまいました。

 と言うことで,本日は上野駅近くの「東京都美術館」で行われている”『日本大判写真展』2009”(”第6回『中大判公募展』”も併設)[主催:日本大判寫眞家協会,会期:3/7(土)〜3/12(木),入場料:無料]を観てきました。これ,日本大判寫眞家協会に属している会員が撮影した写真107枚と,公募で入選した中版・大版カメラによる100枚の写真が展示されているもので,大きさはいずれも90cm×60cmのもので統一されております。

 さて,感想ですが,「ううん」と言う感じですね。すなわち,私の趣味の写真は1枚もありませんでした。確かに畳1/3畳位の大きさによる迫力はありますが,何だか,あまりにくっきりと写っていて,逆に心に訴えるものが少ない感じがしました。しかしながら,これを観て思ったことは写真はやはり大きくして見ないといけないと言うことで,私の場合はデジカメ写真をノート型パソコンで見ることがほとんどですので,やはり最低でもTV画面で,できれば,液晶プロジェクターを使用してスクリーンに写すのがいいのではと思いました。やはり,風景写真は大きさによる迫力が必要だと思いますので。



2009年 3月 4日(水) 「ルーヴル美術館展 −17世紀ヨーロッパ絵画」(国立西洋美術館)

2009. 3. 4(水),上野駅近くの「国立西洋美術館」にて「ルーヴル美術館展 −17世紀ヨーロッパ絵画」を観てきました。開場より5分後の9:35に地下の展覧会会場に入ったのですが,平日と言うのに意外に人がいたのには驚きました。と言っても,十分にゆっくりと観ることができる程度の混み方ですが。今回は結構大きな油絵を主とした71点が展示されていたのですが,その中で私の趣味だったのは以下です。

 No.03 ジャン・プラン・フォントメイ「金色の花瓶に活けられた花束とルイ14世の胸像」:バラの花の豪華な花束が見事な絵でした。

 No.12 ヨハネス・フェルメール「レースを編む女」:有名な絵なのですが,大きさが縦横共20cm位しかない小さなものだったのには驚きました。それにひきかえ,額縁のものすごい大きさは更に驚きでした。

 No.25 ペーテル・パウル・ルーベンス「トロイアを逃れる人々を導くアイネイアス」:私にとっては,ルーベンスと言えば,ブヨブヨした裸体の女性と言うイメージなのですが,この絵の裸女は痩せておりました。若い頃のものなのでしょうか,それとも偽作でしょうか。

 No.29 クロード・ロラン「クリュセイスを父親のもとに返すオデュッセウス」:私はロランの風景画と言うか,歴史画は大好きです。これは港を描いた大きな風景画で,朝の風景か,少し霞がかかっており,光を感じさせるところが素晴らしいです。

 No.30 ディエゴ・ベラスケスとその工房「王女マルガリータの肖像」:可愛らしい子供が描かれています。

 No.44 ジョヴァンニ・フラントェスコ・ロマネルリ「アイネイアスの傷口のディクタムスヌスの薬液を注ぐウェヌス」:ヴェヌスやや齢をとっているように見えますが,それでも中々良い絵です。

 No.46 ヨアヒム・ウテワール「アンドロメダを救うペルセウス」:左に立っているアンドロメダの裸身が美しいです。

 No.52 カルロ・ドルト「受胎告知 天使」
 No.53 カルロ・ドルチ「受胎告知 聖母」
 両方とも大きな絵ではないのですが,描かれている女性は現在でも十分に通用する美しさだと思います。特にNo.52が素晴らしいです。

 No.55 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「大工ヨセフ」:子供の顔を明るくした象徴的な手法で描かれたもので,子供の透き通った手と明るい顔の表情が素晴らしいです。

 No.59 バルトロメ・エステバン・ムーリョ「6人の人物の前に現れる無原罪の聖母」:教会の壁面でしょうか,半円形+長方形の絵です。優しい感じの聖母がいいです。



2009年 2月 5日(木) 「開山無相大師650年遠諱記念 特別展 妙心寺」(東京国立博物館)

 2009. 2. 5(木),上野駅近くの「東京国立博物館」で行われている「開山無相大師650年遠諱記念 特別展 妙心寺」を観て来ました。9:30開場の直前に博物館前に着きましたが,並んでいるのは30名程度と,平日としても少なめでした。そして,開場し,平成館まであまり列をくずさずに進み,中に。驚いたことに,ここ1年間以上は,まず右側のエレスレーターの乗り,入場券を係員に切ってもらった後,右側の部屋から時計回りに観るのですが,今回は,平成館の左側のエレベーターを上り,そして,左の部屋から観ると言う反時計回りで観るようになっていました(考えてみると,大昔はそうだった記憶がありますので,何年かおきに変わるのかもしれません)。

 さて,感想ですが,左側の部屋,こちらは,坊さんの姿を描いた掛軸,書,そして,彫像等が大部分だったのですが,右側の部屋と比較して古いものが多いため,保存状態があまり良くないものが多く,全体的には私の趣味には合わないものがほとんどでした。しかしながら,それでも,最初にあった木像の吉野右京種作「関山慧玄坐像」は中々良かったです。また,保存状態はよくなかったのですが,蔡山筆「十六羅漢図」も中々良かったですし,伝狩野正信筆「鍾呂伝道図」は描かれた人物が私の趣味ではなかったのですが,妙に心惹かれるものがありました。一方,後半の右側の部屋は全体的に保存状態が良いこともあり,前半より遙かに素晴らしかったです。すなわち,

(1)狩野元信筆「四季花鳥図」
 風景を描いた水墨画で8枚組と言う大作(障壁画)です。鶴や鳥が描かれており,この展覧会で最高のものでした。

(2)白隠慧鶴筆「達磨像」
 ほぼ顔だけを描いた大きな水墨画で雄魂な感じが素晴らしいです。

(3)長谷川等伯筆「枯木猿猴図」
 保存状態があまりよくないが,軟らかい感じの水墨画で,まわるい顔をした猿が可愛らしいです。

(4)海北友松筆「琴棋書画図屏風」
(5)狩野山楽筆「文王呂尚・商山四皓図屏風」
 両者共,中国風の人を描いた大きな屏風です。

(6)狩野山楽筆「松図」
 壁に張りつけたもので,金襖みたいな感じのものです。ちょっと保存状態が悪いですが,雄魂な感じの松が素晴らしいです。

(7)狩野山楽筆「龍虎図屏風」
 竹林の中にユーラスナ感じの豹と口を開けた迫力ある虎が描かれた金屏風で,もう1つは,龍の頭を強調した金屏風で,いずれも素晴らしいです。

(8)狩野山雪筆「老梅図襖」
 太い幹が龍のように曲がっている梅の木が花をつけている金襖で,これは狩野元信筆「四季花鳥図」と同じくらいの素晴らしさです。

(9)狩野永岳筆「西園雅集図襖」
 中国風の人が描かれた金襖です。

 当初,ガラガラで,大きな部屋の中で観ているのは私1人と言う状態もありましたが,10時半を過ぎると,さすがにかなり混んできました。と言っても,それでも十分にゆっくりと観ることができましたが。それにしても,この展覧会,あまり期待していなかったのですが,向かって右側の展示品が素晴らしかったので,大満足でした。

 その後は,勿論,本館に行き,常設展示を観ましたが,「お雛様」とかの特別展示もありました。



2009年 1月 8日(金) 「Japan 蒔絵 -宮殿を飾る 東洋の燦めき-」(サントリー美術館)

 2009. 1. 8(木),地下鉄「六本木駅」近くの「サントリー美術館」で開催されている「Japan 蒔絵 -宮殿を飾る 東洋の燦めき-」展を観て来ました。サントリー美術館には,赤坂にあった時は何回か行ったことがありましたが,「東京ミッドタウン ガレリア」3Fに移動してからは初めてです。と言う訳で,ここには初めて行ったのですが,場所がわかりにくいのには参りました(「東京ミッドタウン」にも初めて入りました)。すなわち,「ガレリア」の建物はすぐにわかりましたが,中に入ると,まるで,ホテルの中みたいな感じで,そのまま進むと,エスカレーターはあるのですが,なぜか,柵があってそれには乗れなくなっており,仕方がなくそのまま進み,そして,突きあたりを左折するとエレベーターの前に来たので,それで3階に上がると,ようやく,美術館らしいのですが,それが美術館の入口というよりお店みたいな感じで,よく中を観て,ようやく,入口だとわかって中に入ることができました。その上,観客が少ない割に,係員の数が多いので,妙に丁寧で親切っぽいのも違和感でした。そして,係員の指示に従って,まずはエレベーターで4階にあがり,展示品を観ました。その後,階段を下り3階の展示室です。

 さて,感想ですが,まず,驚いたのが,保存状態が良いものが多いことで,よく,これだけ素晴らしいものが残っていたと感心しました。あ,メインは勿論,蒔絵の箱等で,それ以外に絵もあり,ポンパドゥール夫人やマリー・アントワネットの肖像画のほか,多数の異人達が描かれている南蛮屏風なんかもありました。4階でもっとも素晴らしかったのが,高山寺に所蔵されている鎌倉時代の「輪宝羯磨蒔絵舎利厨子」で,6枚の扉に描かれている仏の絵と中の奥に描かれている三仏の絵は,いずれも素晴らしいものでした。これだけの名品は滅多に見られないと思います。後は,京都国立博物館所蔵の桃山時代の「花鳥蒔絵螺鈿聖龕(三位一体像)」のキリストやマリアの絵,そして,これらとは全く異なりますが,ヴィクトリア&アルバート美術館所蔵の1640年頃の「マゼラン公爵家の櫃」の装飾も中々,良かったです。一方,3階は江戸時代に日本より西洋に輸出されたものが大部分ですが,なぜか,小さなミニチュアのようなものが多く,あまり感心しませんでした。大きなドールハウスもありましたが,おそらく,そのような所に飾られたものだと思います。後,お香を入れるものが沢山ありまし たが,西洋人もお香を使ったのでしょうか。それとも,別なものを入れていたのでしょうか。

 と言うことで,展示してあったものはまあまあで満足したのですが,この美術館は場所や雰囲気から言って,あまり行きたいとは思わない感じです。また,平日の開館直後(10時過ぎ)だったから仕方がないのかもしれませんが,観客は全部で10名程度と超ガラガラ状態で,これで一体大丈夫なのかと,いつもは東京国立博物館等で混んだ状態でしか観たことがない私は心配してしまいました。



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