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博物館・美術館の感想(11)

初回:2016. 2.29


2015年10月29日(木) 「黄金伝説 古代地中海世界の秘宝」(国立西洋美術館)

 2015.10.29(木),上野駅近くの「国立西洋美術館」にて,「黄金伝説 古代地中海世界の秘宝」展を見てきました。ここは9:30開館なので,その直前に行ったら,行列の人達が既に門より入っている状態だったので,急いでそこに行きます。しかしながら,その大部分はキップ売り場に行き,館内に入っていったのは僅かでした。と言うことで,地下の「黄金伝説 古代地中海世界の秘宝」展に入って行ったのは,10名にも満たない状態でした。

 さて,感想ですが,つまらなかったです。と言うのは,危惧したのが当たって,展示している大部分が,金製の耳飾り,首飾り,留め金,腕輪等の装飾品や,盃等だったからです。すなわち,実用品がほとんどで,私はこの手のものに興味がないからです。勿論,これが紀元前50世紀〜紀元前1世紀のものであり,特に,紀元前50世紀のものが多いのは驚異的ですし,その細かい細工も素晴らしいものですが。

 なお,これだけでは人を呼べないと思ったのか,あるいは飽きてしまうと思ったのかわかりませんが,近代の画家による油絵,例えば,モローやルノワールによる絵もありましたが,そのなかでは,「ギュターブ・モロー:イアソンとメディア」が最もまともでした。しかしながら,この展覧会,ガラガラの状態でしたが,ほとんどの部屋では,見ているのは私1人の状態でした。

 その後は,常設展を見ましたが,何と,入口が昔とは異なり,入口より入って右折,そして,左折して,ずっと進んだ建物のも奧が入口になっていました。その上,中に入ると,面積的に以前の半分位に縮小されており,展示してあるものも,かなり減らされていました。どうやら,従来の本館2階部分が閉鎖されており,常設展は新館のみのようです。その中では,新規購入1点と寄託2点の油絵が新しいものでした。



2015年 6月 4日(木) 「平成27年度 第1回企画展 恋する王朝」(国立公文書館)

 2015. 6. 4(木)は皇居東御苑に花菖蒲の撮影に行ったのですが,北桔橋門より出て,「国立近代美術館」の隣にある「国立公文書館」の前を通ると,「平成27年度 第1回企画展 恋する王朝」をやっていたので,中に入って観ました。ガラガラかと思って中に入ったのですが,どこかの学校の団体みたいな20名位の人達がいて,興味深そうに観ていました。 ここに入るのは2回目ですが,雰囲気的には以前と同様で,展示は1階の周り部分で行われていました。内容的には,江戸時代初期あるいはそれ以前に印刷された本,それも挿絵があるものです。すなわち,更級日記,源氏物語,竹採物語,うつほ物語,伊勢物語,すみよし物語,浜中納言物語,堤中納言物語等で,勿論,白黒の印刷です。

 さて,感想ですが,華やかさはないものの,挿絵は,これらの本ができた頃の人々が,この物語の主人公達をどのように考えていたのか,面白いものでした。



2015年 4月28日(火) 「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」(三菱一号館美術館)

 2015. 4.28(火),東京駅近くの「三菱一号館美術館」にて「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 〜アメリカ合衆国が誇る印象派コレクションから」を観てきました。この美術館に入るのは2回目ですが,各部屋の面積が小さくチマチマしている上,3階の展示室はともかく,2階の展示室は部屋と部屋の間の自動ドアの数が多すぎて,困りものです。

 さて,まずは,全体的な感想ですが,つまらなかったです。と言うか,米国から禄なものを持ってきていないのではと思いました。ここはエレベーターでまず3階に行き,幾つかの部屋を観た後,2階の部屋を幾つか観て終わりと言う形なのですが,特に,3階の部屋の最初の方は,絵のほとんどがなぜか,薄緑色がかっていて,それだけで,「何だ,これは」と言う気分になりました。

 と言うことで,まあ,観れないことはないと言うものは,「プーダン:トーヴィルのカジノの演奏会」(映画「マイ・フェア・レディ」の競馬場シーンを思い出すような感じでした),「コロー:芸術家のアトリエ」,「ルノアール:アンリオ夫人」,そして,「ルノアール:猫を抱く女性」位で,それも強いて言えばと言う程度でした。

 なお,観客は意外に多く,結構,列を作りながら観ていく形になっていました。



2015年 4月22日(水) 「ボストン美術館×東京芸術大学 ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」(東京芸術大学大学美術館)

 2015. 4.22(水),上野駅近くの「東京芸術大学大学美術館」にて「ボストン美術館×東京芸術大学 ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」展を観てきました。12時過ぎに入ったのですが,適度な観客数で,非常に見やすかったです。

 さて,感想ですが,素晴らしかったです。特に素晴らしかったのが3階の2部屋です。ここにあったのは,そのほとんどがボストン美術館収蔵のものだったのですが,絵巻物「作者不詳:ペルリ浦賀上陸図」は興味深いものでしたし,最も驚いたのは明治初期の浮世絵で,普通の浮世絵と言うか,風景を描いた版画は横位置が普通ですが,それを縦位置とし,3枚並べて1枚の大きな絵とするものが幾つもあったことです。今まで横位置のものしか見たことがなかったので,縦位置のものを3枚並べて迫力を出すなんて言うの,すごく新鮮でした。なお,普通に考えれば,最初から3枚の大きさのものを刷れば良いのではと思いますが,技術的に難しいとは思えないので,1枚ではなく3枚買わせることにより,入るお金が多くなるのではないでしょうか。あ,これらは,「三代歌川広重:横浜海岸異人館之図」,「三代歌川広重:横浜波止場ヨリ海岸通異人館之真図」,「歌川芳員:亜墨利加国蒸気往来」,「歌川芳虎:東京築地ホテル館表掛之図」等で,なお,3枚ではなく2枚のものもありました。

 後は「植松包美:杉林蒔絵料紙箱」,「作者不詳:十種香箱」はいずれも形も良いし,蒔絵等が素晴らしかったです。掛け軸では「渡辺省亭:牛若丸と弁慶図」も中々でしたが,この展覧会で最も素晴らしかったのが「阿鍋暁斎:地獄太夫」で,これを見ただけでも,本日,行った甲斐がありました。なお,この地獄太夫と言うのは,山賊に捕まったが,その美貌から遊女に売られ,坂井の金持ちに買われたが,現世の不幸は前世の戒行がつたないためということで,自分のことを地獄と呼び,衣には地獄変相の図を繍り,心には仏名をとなえつつ,口には風流をうたったと言う女性です。また,「揚州周延:浅草公園遊覧之図」も上記3枚組の浮世絵ですが,桜の花の下の浅草を描いていて,そこに遊女らしい女性達がいることも加えて華やかなで良いです。

 そして,地下2階の部屋では,「狩野芳崖:悲母観音」は圧倒的で,それ以外では「塩川文麟:雲竜図屏風」がまあまあでした。



2015年 3月31日(火) ”リニューアル記念企画展 特別公開 広重「名所江戸百景」”(江戸東京博物館)

 2015. 3.31(火),両国駅近くの「江戸東京博物館」にて,”リニューアル記念企画展 特別公開 広重 「名所江戸百景」展”を見てきました。これ,歌川広重が描いたものを浮世絵としたもので,全120枚の公開ですが,前期・後期で各半分づつ公開するもので,本日は前期でした。また,全120枚と言っても,1枚は目録,そして,2枚は二代歌川広重によるものだそうです。

 さて,感想ですが,素晴らしいです! 有名な「亀戸梅屋舗」,「大はしあたけの夕立」,「亀戸天神境内」,「両国花火」,「目黒新富士」もやはり,実物は素晴らしいですし。全体的に,構図が秀逸で,私の写真もこのように撮りたいものだと思いました。また,「深川万年橋」には大きな亀は吊り下げられているのですが,こりゃあ,「亀は万年」と洒落ているのだなあと思ったら,当時は本当にここで亀を売っていたのだそうです。



2015年 2月14日(土) 「みちのくの仏像」(東京国立博物館)

 2015. 2.14(土),上野駅近くの「東京国立博物館」にて「みちのくの仏像」展を観てきました。開門とほぼ同時に博物館前に着いたのですが,列を作って前を歩いていたのは30名弱と土曜日と言うのに寂しい状態でした。

 さて,感想ですが,何だか,詐欺にあったような感じの美術展で,全くガッカリでした。と言うのは,これ,本館の第5室,すなわち,以前に東洋館が修理休館の時にガンダーラ仏が展示されていた1階中央階段の奧の部屋に,仏像が全部で26体展示されていると言う,極めて小規模のものだったからです。これならば,平常展の料金で見せても良いのではと思いました。

 26体の中では,山形・本山慈恩寺の十二神将立像,と言っても,現存しているのは内4体のみらしいのですが,これが最もまともでした。円空仏も3体あったのですが,冴えない感じでした。それにしても,お金がないのか,あるいは,いじりたくないのかわかりませんが,腕や手に欠損があるものが多く,信仰のものなのですから,補修して欲しいと思いました。



2015年 1月20日(火) 「物語絵 -<ことば>と<かたち>-」(出光美術館)

 2015. 1.20(火),有楽町駅近くの「出光美術館」にて「物語絵 -<ことば>と<かたち>-」展を観てきました。客は思ったよりいましたが,それでも,観やすい程度でした。

 さて,感想ですが,状態の良い屏風と絵巻物,そして,陶磁器で,最も素晴らしかったのは第1室にあった「作者不詳:源氏物語図屏風」(六曲一双・18世紀)で,これは源氏物語の中の26景,それも,光源氏とその子孫が輝いている場面のみを描いていることもあり,加えて,金箔を用いた大和絵と言うこともあり,正しく,輝いているような感じの屏風でした。

 第2室では私の趣味のものはなく,第3室では「作者不詳:平家物語 一ノ谷・屋島・壇ノ浦合戦図屏風」の沢山の武士や舟での戦いの様子が描かれたもので,勇壮な感じが良かったです。

 と言うことで,本日は上記の2つが観れてよかったです。



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