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博物館・美術館の感想(04)

初回:2015. 1.31


2008年12月19日(金) 「丸紅コレクション展」(損保ジャパン東郷青児美術館)

 2008.12.19(金),新宿駅近くの「損保ジャパン本社ビル」42階にある「損保ジャパン東郷青児美術館」にて,「丸紅創業150周年記念 丸紅コレクション展 衣装から絵画へ 美の競演」を観て来ました。ここに入ったのは2回目だと思いますが,42階の美術館に行くエレベーターは1台しかないので並ばなければならないことと,そのエレベーターの場所がちょっとわかりにくいと言うことがありますが,42階から下を見下ろすのは中々いい気分です。

 さて,今回の展覧会は最初の,江戸時代あたりの女性の着物の展示があり,その後,その文様について,そして,日本人による洋画,西洋人による油絵と続きました。着物はいずれも素晴らしい文様のものばかりで,よく,これだけ集めたと感心しました。着物の文様では,淡い水彩画風の「堂本印象:春渓早梅」がその明るさと共に素晴らしかったです。日本人による洋画では,「山下新太郎:少女像(御料の森)」が少女と言うより,オバサンぽかったのですが,中々良かったです。また,花瓶も花もエジプト風の「小島善三郎:バラ」も良かったです。異人さんの油絵では,郷愁を感じさせる「ジェイムズ・ウェツプ:ハイデルブルク」(これはドイツの大学都市のハイデルベルクを描いたものですね),強烈なコントラストとスピード感満載の「モーリス・ヴラマンク:冬景色」,銀杏の木みたいな花が花瓶にささっている「モイーズ・キスリング:ミモナの花」,そして,私が好きな画家の1人の「ジョルジュ・ルオー:ピエロ」が良かったです。

 今回,最も素晴らしかったのは,ウマ・サーマン風の若い女性の横顔が描かれている「サンドロ・ボッティチェリ:美しきシモネッタ」です。本日は,この絵を見ることができただけでも,わざわざ行った甲斐がありました。



2008年12月18日(木) 「琳派から日本画へ」(山種美術館)

 2008.12.18(木),地下鉄「九段下駅」近くの「山種美術館」にて「琳派から日本画へ -宗達・抱一・御舟・観山-」展を観て来ました。

 平日だから空いているだろうと思って,11時頃に行ったのですが,意外に人が入っているのには驚きました。ここ,初めて入ったのですが,ビルの1階の一部を使った狭い美術館ですね。部屋も3つしかありませんし,その上,広さは東京国立博物館の平成館の右の展示場の1/3程度しかないのではないでしょうか。ともかく,こぢんまりとした美術館です。

 さて,感想ですが,ガッカリと言うのが本当の所です。確かに俵屋宗達(と言っても,短冊ですが)とか,菱田春草とか,速水御舟とか,有名な人の絵もあるのですがあ,なぜか,心に迫るものは全くありませんでした。すなわち,私にとっては,駄作ばかりと言う訳で,2回観て,終わりにしました。あ,あったのは,掛軸,屏風絵,短冊と言ったところです。



2008年11月 9日(日) 「尾形光琳生誕350周年記念 大琳派展 継承と変奏」(東京国立博物館)

 2008.11. 9(土),本日も昨日と同様に朝から暗い状態でしたので,先日も行った「東京国立博物館」で行われている「尾形光琳生誕350周年記念 大琳派展 継承と変奏」に行ってきました。2回も観る理由は,この展覧会,2週間毎に展示品が替わると言うものなので,少なくとも2回は行かないと,展示品の大部分を観ることはできないからです。

 と言うことで,9時過ぎに家を出て,鶯谷駅より歩いて,東京国立博物館に。ちょうど開場の9:30に着いたのですが,既に,門は開いており,待っている人達は既に中に入っていたので,私も早速,中に入ったのですが,会場の平成館の前は長蛇の列で,おそらく,200人以上だったと思います。そして,5分ほどかかって,ようやく中に入ったのですが,前回の時より混んでいるし,また,前回,観たものもかなりあることから,いつもとは異なり,入口からではなく,出口の方から観ました。期待した通り,出口の方は客が少なく,観やすかったです。そして,いつもの通り,入口から出口までを行ったり来たりして,計3回,観ました。

 さて,本日の山はやはり,俵屋宗達,尾形光琳,酒井抱一の3つの「風神雷神図屏風」,そして,鈴木其一の「風神雷神図襖」が,1つの部屋の3面に渡って展示していることで,やはり,圧巻でした。ただし,屏風の方は,私には3つ共ほぼ同じに見えました(すなわち,宗達のものを光琳と抱一が模写しているのですね。勿論,其一のものもよく似ています)。要するに,琳派とは物真似の集まりと言っても過言ではないのですが,それでも,やはり素晴らしいです。

 後は,先日もあった俵屋宗達の「白象図・唐獅子図杉戸」と言う板戸の表に象,裏に唐獅子が力強く描かれていますし,今回初めて見た淡い色彩で秋の草が描かれている尾形光琳の「秋草図屏風」は,自分の部屋に飾っておきたい程の素晴らしさでした。後,同じく尾形光琳の「孔雀立葵図屏風」(これも初めてです)や,煌びやかな花が金屏風に描かれている尾形光琳の「立葵図屏風」(これも初めてでした)も素晴らしかったです。そして,酒井抱一の「宇津山図屏風」の静かな景色の中で烏帽子姿の男が歌を詠んでいる場面の寂しさ,鈴木其一のアニメ風の色彩と絵が面白い「夏秋渓流図屏風」(初めてでした),数羽のキリリとした姿の鶴が描かれている鈴木其一の「群鶴図屏風」も良かったです。工芸品では,表裏が金色の団扇でそこに鹿と紅葉が描かれている酒井抱一の「鹿・楓図団扇」(初めてです),尾形光琳の「扇面貼交手筥」,蓋に銀色の金属で鹿が描かれている永田友治の「槇鹿蒔絵紙硯箱」も素晴らしかったです。

 これらを観た後は,現在,本館の裏庭が開放されていますので,そちらに。残念ながら,雨が降るのではと思うような薄暗い曇り空でしたが,それでも,撮影です。ここには茶室が幾つかあります。その後,本館を観て,今度は前庭の撮影です。本館横のハナミズキは完全に紅葉していました。他に黄葉している木も結構あったのですが,残念ながら天気が悪くて,綺麗に撮れませんでした。



2008年10月 9日(木) 「尾形光琳生誕350周年記念 大琳派展 -継承と変奏-」(東京国立博物館)

 2008.10. 9(木),会社を休んで,上野駅近くの「東京国立博物館・平成館」で開かれている「尾形光琳生誕350周年記念 大琳派展 -継承と変奏-」展を観て来ました。開館5分前の9:25に着いたのですが,既に70名程が並んでいました。

 さて,感想ですが,やはり,最初の方にあった「第1章 本阿弥光悦・俵屋宗達(17世紀)」のものは,保存状態が思っていた程ではないせいもあり,全体的にはそれほど良いとは思いませんでした。しかしながら,その中では,伝俵屋宗達「四季草花図屏風」の金屏風は,描かれている朱色の花等の繊細さと華やかさが中々良かったです。後は,俵屋宗達「風神雷神図」の屏風,これは勿論,非常に有名なものですが,風神・雷神のユーモラスな表情には感心しました。また,俵屋宗達「白象図杉戸」も象の形が中々良かったです。これ以外では,掛軸に小さな絵が貼られているもの,多分,大きな絵から切りとったのではと思いますが,伝俵屋宗達「源氏物語図」として,3枚,すなわち,「空蝉」,「篝火」,「夕霧」の3場面を描いたものも小さいながら中々良かったです。

 「第2章 尾形光琳・尾形乾山」(18世紀)では,尾形光琳「扇面貼交手筥」に描かれている尾形光琳の絵,これは蓋の外側には花の絵が,内側には富士山の絵が,そして箱の側面には人物画が描かれており,いずれも素晴らしいものでした。そして,金屏風で青と緑の絵の具で描かれた尾形光琳「燕子花(かきつばた)図屏風」も中々良かったです。こちらの保存状態はほぼ文句無しのものばかりでした。「第3章 光琳意匠と光琳顕彰」(18世紀)では,工芸品の螺鈿細工の大きな金色の箱で,蓋には銀色の鹿が描かれている永田友治「槙鹿まき絵料紙硯箱」が良かったです。

 「第4章 酒井抱一・鈴木其一」(19世紀)では,さすがに文句無しの保存状態のものばかりで,これが一番観ごたえがありました。ここでは金屏風でそこに繊細な秋の草が描かれている酒井抱一「秋草鶉図屏風」,今回の展覧会では最も素晴らしかった酒井抱一「四季花鳥図屏風」,これも金屏風で,この左端には,雪が積もった中で梅の花が咲いていると言う素晴らしいシチュエーションが描かれていました。また,そのほかには秋の草,菖蒲とボタンの花も描かれていました。

 と言うことで,この展覧会には,私の好きな屏風絵が多数あるほか,掛軸,絵巻物,工芸品の箱,焼き物等があり,中々,観ごたえのあるものでした。なお,この展覧会は10/7(火)〜11/16(日)ですが,期間中,展示替えが行われますので,全部,観たいのであれば2週間毎に行く必要があるようです。

 それにしても,同時に「スリランカ 輝く島の美に出会う」展が開催されているのですが,開館前に並んでいた人は誰もそちらに行かないのには笑ってしまいました。勿論,いつもの通り,本館も観ました。特別展示も幾つかありました。



2008年 8月24日(日) 「コロー 光と追憶の変奏曲」(国立西洋美術館)

 2008. 8.24(日),本日は雨の予報なのに,9時過ぎになっても曇り状態だったので,結局,9時半に家を出て,上野駅より「国立西洋美術館」に行きました。

 と言うのは,「コロー 光と追憶の変奏曲」展の入場券を会社の同僚に2枚上げたと言うのに,まだ,1枚余っていたためで,これでこの展覧会に行くのは3回目です。と言うことで,まずは,コロー展をザッと観て(今回は,大きな風景画の「モルトフォンテーヌの想い出」が良かったです),平常展に。2階に上がったすぐの所にある丸い絵の「バルトロメオ・モンターニャ?:城の見える風景」,この2階の中では最も美しい女性が描かれている「ジョルジョ・ヴァザーリ:ゲッセマネの祈り」,「レアンドロ・バッサーノ:最後の審判」,「アードリアン・イーゼンブラント?:玉座の聖母子」,「カルロ・ドルチ:悲しみの聖母」,この2階の中では最も好きな絵の「ジャン・マルク・ナティエ:マリ・アンリエット・ベルトレ・ド・プルヌス夫人の肖像」,「マリー・ガブリエル・カペ:自画像(デッサンをする画家)」,「ウジェーヌ・ドラクロア:聖母の教育」,「ジャン・フランソワ・ミレー:春(ダフニスとクロエ)」,これも好きな絵の「ダンテ・ガブリエル・ロセッティ:愛の杯」,非常に小さな絵の「ギュスターヴ・モロー:ピエタ」,「ピエール・オーギュスト・ルノアール:帽 子の女」,これぞ,アルジェリアの女と言う感じの「ピエール・オーギュスト・ルノアール:アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)」,ミッシャ風の「ポール・ランソン:ジギタリス」等,ともかく,ここにある絵は,いずれも素晴らしいです。



2008年 8月16日(土) 「コロー 光と追憶の変奏曲」(国立西洋美術館)

2008. 8.16(土),上野公園内にある国立西洋美術館に行き,先日も観た「コロー 光と追憶の変奏曲」展を観てきました。と言うのは,招待券が余っているためです。やはり,素晴らしいのは,コローの作品では「芝生に横たわるアルジェリアの娘」,「青い服の婦人」,「モルトフォンテーヌの想い出」,そして,他の画家ではルノワールの「手紙を持つ女」ですが,それでも,その後に観た平常展の宗教画や婦人の肖像画の方が遙かに素晴らしいと思います。



2008年 7月21日(月) 「コロー 光と追憶の変奏曲」(国立西洋美術館)

 2008. 7.21(月),上野駅近くの「国立西洋美術館」にて「コロー 光と追憶の変奏曲」展を観てきました。開館の15分前の9:15に着いたのですが,既に100名位が並んでおり,そして,9:20には建物の中に。そこでしばらく待ち,9:30,ようやく地下の展示室(地下1階)に入れました。

 最初の方は小さな油絵の風景画ばかりで参りましたが,その後も風景画が続き,それらはいずれも私の趣味ではないものばかりでした。コローと言えば,風景画と「真珠の女」と思っていた私にとっては,「ううん,コローの風景画はたいしたことはないなあ」と言うのが本当のところです。と言うか,もし「真珠の女」が描かれていなかったら,コローって,歴史の中に名前を残さなかったのではないでしょうか。あ,今回の展覧会では,風景画の後に人物画があり,更に地下2階に行くと,大きな風景画と銅版画風に見える版画がありました。しかしながら,地下2階もたいしたことはありませんでした。なお,コローだけでは魅力がないと思ったのか,ルノワール「木かげ」(抽象画風の素晴らしいものでした),同「手紙を持つ女」,のほか,」,ドラン,シスレー,ピサロ及びマティス等による絵も20枚位ありました。

 結局,一番良かったが「青い服の婦人」(これ,コローの最大傑作だと思います)で,次はドラクロア風の「芝生に横たわるアルジェリアの娘」です。「真珠の女」はやはり,元になったレオナルド・ダ・ビンチ「モナ・リザ」の方が遥かに素晴らしいですね。

 なお,その後は勿論,平常展を見ましたが,やはり,ここには素晴らしいものが沢山集められています。今回は宗教画があまりにも素晴らしいのに驚きました。特に,ジョルジュ・ヴァザーリ「グッセマネの祈り」は,中央のマリアが現代にも通ずる美だったのには驚きました。勿論,これら以外に,いつもの通り,ジョン・マルク・ナディエ「マリ=アンリエット=ベルトレ・ド・ブルヌフ夫人の肖像」も相変わらずの美しさです。



2008年 7月19日(土) 「ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展」(国立新美術館)

 2008. 7.19(土),本日から3日間の連休ですが,梅雨が明けるかどうかと言う時だったこと,JRの「青春18キップ」の有効期間は7/20(日)〜9/10(水)であること,及び,本日朝の都内の天気は曇りと晴れの中間位だったことから,遠出はせず,まずは,地下鉄「乃木坂駅」近くの「国立新美術館」にて「ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展」を観てきました。場所は1階のE会場で,開館の10時直前に行くと50名位が待っていました。そして,中に入り,広々としたほとんど人のいない状態で観ることができました。あ,展示してあったのは全て油絵でした。

 「静物画の秘密展」との表題通り,展示してるほとんどが静物画でしたが,ペーテル・パウル・ルーベンス「チモーネとエフィジェリア」と言うギリシア神話?に基づいた巨大な絵のほか,アントニオ・デ・ベルダ「静物・虚栄」,ファルケンボルフ工房「花市場:春」,ディエゴ・ベラスケス「薔薇色の衣裳のマルガリータ王女」及びヤン・ブリューゲル(父)「大地女神ケレスと四大元素」が辛うじて,人物画と言うべきものでした。しかしながら,やはり,女性美の基準が現在と大きく異なり,残念ながら,そのどれもが私には美しい女性とは思えず(勿論,私はロリコンではないので,ベラスケスの絵はいいとは思いませんでしたし),辛うじてまあまあだったのはベルダの絵位でした。

 一方,静物画の方ですが,異人さん達は肉食人種ですので,最初の方に絵では,肉屋の様子とか,狩りの獲物とかに代表される「死」と関係ある絵が多いのには参りました。また,当時は長い冬を明るく過ごすことが目的なのか,花冠の絵が流行っていたようで,ヤン・ブリューゲル「青い花瓶の花束」のほか,ガスパレ・ロペス「泉の上で紋章を持つプット像のある庭園風景と花」・同「戦士の胸像がある庭園風景と花」と言う小さな横長の絵は中々良かったです。

 観客は次第に増えてはきましたが,それでもゆったりとした気分で観ることができ,だいたい40分間で終了としました。



2008年 4月19日(土) 「モディリアーニ展」(国立新美術館)

 2008. 4.19(土),昨日までの雨はようやく止みましたが,空はかなり暗い曇りの上,風も強い状態でしたので,本日は,地下鉄「乃木坂駅」近くの「国立新美術館」で行われている「モディリアーニ展」に行ってきました。この美術館,外見は2回程見たことがありましたが,中に入ったのは初めてです。乃木坂駅からほぼ直結で,美術館に行けるのですね。ここは,公共の美術館にしては非常に怠惰な所で,始まりは何と10時からですので,美術館や博物館に行く時のいつもの時刻よりかなり遅く家を出ました。そして,9:52位に美術館に着きましたが,この展覧会の展示室(ここは3階建てで,1階と2階は各3つの展示室が,3階には1つの展示室がありますが,モディリアーニ展は1階の展示室でした)の前に並んでいるのはたった30名程でした。

 9:58頃に中に入れ,早速,見ましたが,前半は目が腐りそうになるものばかりで,後半になり,ようやく,首長族の絵を見ることができました。あ,展示してあった絵は,メインが油絵ですが,素描も結構ありました,勿論,素描もひどい代物でしたが,初期,中期の油絵もひどい代物で,よくこんなものを後生大事に飾っている人がいると感心しました。後期になり,ようやく,見られないことはない「女の肖像」(1917年)や「肩をあらわにしたジャンヌ・エピュテルヌ」がありました。それにしても,モディリアーニの油絵の女性の目は,そのほとんどが埴輪の目みたく瞳が描かれていないものだったのですね。また,展示してあった絵のほとんどが,個人所有であったのにも驚きました。それにしても,観客は少なかったのでゆったりと見ることができましたが,こんな観客数では,主催者の期待は完全に外れたと思います。

 この展示室を出た後は,一応,中を見ておこうということで,2階と3階を歩いた後,中庭に行くと,ツツジの花が咲いていました。こちらの方が,モディリアーニの絵より遙かに美しいので,ホッとしました。



2008年 4月13日(日) 「平城遷都1300年記念 国宝 薬師寺展」(東京国立博物館)

 2008. 4.13(日),夜中は雨でしたが,目が覚めた時は今にも雨が降りそうな暗い空,そして,すぐに雨と言う状態で,結局,本日は上野駅近くの「東京国立博物館」で開かれている「平城遷都1300年記念 国宝 薬師寺展」に行ってきました。出かける直前まで雨が降っていたせいもあり,いつもより少し遅れて家を出た為に,博物館前に着いたのは開場5分後の9:35でした。並んでいた人達は,既に,会場の平成館に入っているだろうと思っていたら,何と,平成館の前には200名位が並んでおり,なかなか,中に入ることができません。ようやく,中に入り,エスカレーターで2階に上がって第1室を見ると,ここには横幅1m位の板絵が6枚並んでおり,中々進まなくて,イライラします。この板絵の反対側には,その複製品が寺の建物風の所に並べられており,また,木製の狛犬なんかも置かれています。次の部屋は五重塔の飾りと,ようやく,青銅製の仏像「聖観音菩薩立像」に出会えました。そして,次の部屋が,これまた,青銅の仏像で,日光菩薩立像と月光菩薩立像で,これら3体は,結構,高い位置からも見ることができるようになっており,また,床からは回りながら見ることができるよ うになっていたのには感心しました。それにしても,これらはいずれも保存状態が非常によく,また,大きく立派なのには驚きました。勿論,これ,当時は金箔が貼られていたのだと思いますが,残念ながら,その痕跡は全く見えませんでした。反対側の部屋では,まずは,瓦等の考古学みたいな出土品でさっぱり面白くなく,その上,恨みの人形みたいな感じの気持ち悪い塑像が大量にあり,次の部屋が玄奘三蔵の座像と絵,そして,お経で,いずれも私の興味が無いものばかりでしたが,最後の部屋で,ようやく「吉祥天像」の絵を見ることができました。これ,有名な絵である筈ですが,縦50cm位と,小さいのには驚きました。

 それにしても,この手の展覧会に行って驚くのは,解説を読む人が多いことで,この吉祥天像の絵も,何枚もある解説を読む人ばかりで,肝心の本物を見る人は極めて少ない状態でした。



2008年 3月16日(日) 「ウルビーノのヴィーナス」(国立西洋美術館)

 2008. 3.16(日),朝起きると,昨日とは異なり,完全な曇り状態です。本日の午後はコンサートに行かねばならないこともあり,午前中はデジタル式一眼レフカメラでの撮影をと思っていたのは諦め,「上野駅」近くの「国立西洋美術館」で行われている「ウルビーノのヴィーナス」展に行くことにしました。しかしながら,思ったより天候の回復は早く,家を出る頃には,朝より天気が良くなり始めていました。美術館前に9:18頃に着きましたが,並んでいるのは40名程で,もっと混んでいるのではと思っていた私は拍子抜けでした。そして,9:30に中に入れましたが,並んでいたのはほぼ100名と言ったところでしょうか。

 さて,感想ですが,良かったのは一番下の部屋(3番目の部屋)にあった「ティツィアーノ・ヴェチェッリオ:ウルビーノのヴィーナス」だけで,なるほど,この絵を表題にした美術展だったのだと言うことを十分に納得させてくれました。勿論,これ以外に大きな油絵が何枚もありましたが,いずれもわざわざ観る必要はないと言うもので,落ち穂拾い的なものばかりでした。あ,最初の部屋にあったのが,「ギリシア・ローマ時代のヴィーナス」関連のもの,次の部屋が「15世紀のヴィーナス」関連の絵画等,ここより,階段を下ると,ようやく,「ウルビーノのヴィーナス」を含めた「横たわるヴィーナス」の絵画です。この「ウルビーノのヴィーナス」は横1.7m位もあり,金色の立派な額縁に入っていました。このヴィーナス,表情が抜群に良いですし,裸身も美しく,正しく名作だと思います。後の部屋は「ヴィーナスとアドニス,パリスの審判」と言うギリシヤ神話に基づく話を描いたもの,そして,最後がそれ以外の「初期バロックまでのヴィーナス」の絵等でした。

 この展覧会を観た後は,勿論,平常展です。企画展より平常展の絵の方が良いことがあるのですが,今回もその通りで,ドラクロアによる「アルジェの女たち」やナディエによる女性の肖像画等,やはり,「ウルビーノのヴィーナス」以外は平常展の方が遥かに素晴らしいです。

 そして,建物の前庭に咲いている香りの良い「沈丁花」を撮影して,終了としました。



2008年 2月 3日(日) 「ルーヴル美術館展 -フランス宮廷の美-」(東京都美術館)

 2008. 2. 3(日),本日は午後も雪でしたが,その中を上野駅近くの「東京都美術館」で開かれている「ルーヴル美術館展 -フランス宮廷の美-」を観てきました。この手の展覧会はいつもは開場と同時に入るのですが,本日は雪で空いているだろうと思って,13:30頃に行ったと言うわけです。私と同様に考えた人も結構多かったみたいで,思ったより人は多かったのですが,それでも,ゆったりとした気分で観ることができました。

 さて,感想ですが,これ,マリー・アントワネット王妃の頃のロロコ時代の実用品(工芸品)がメインだったせいもありますが,全体的に装飾過多過ぎです。あ,展示してあったのは,金色の装飾が沢山ある時計,金色の燭台,大きな銀食器,細密画が描かれ,ダイヤモンドが散りばめられている繊細な彫金の小箱(嗅ぎ煙草入れ)等で,これらは結構な数がありましたが,いつもの通り,地下の階のものが最も素晴らしかったです。と言っても,私の趣味のものはあまり無かったのですが。私の趣味にあったのは,地下にあったフランソワ・プーシェの油絵「ヴィーナスの化粧」で,特に,ヴィーナスの顔や胸の描き方が素晴らしく,後で絵はがきまで入手してしまいました。また,その側の3m以上ある「オペラの悲劇と喜劇の舞台を表したタピスリー」の2枚も素晴らしかったです。後は,1階にあった「デュ・バリー夫人のミニアチュアール肖像画入りペンダント」も非常に美しかったです。また,プーシェの「ポンパドゥール夫人の肖像」は布製キャンバスではなく紙に描かれた油絵なのだそうですが,大きさが60cm位しかなく,有名な絵の割に小さいとガッカリしました。

 と言うことで,上にあがるに従って,同じようなものを何回も観ると言う感じで,次第に惰れてきましたが,全体から言えば,プーシェの絵を観ることができて,大満足でした。



2008年 1月13日(日) 「近代日本画 美の系譜 〜横山大観から高山辰雄まで〜」(大丸ミュージアム)

 2008. 1.13(日),昨日の天気予報によると,本日は「1日晴れ」だったのですが,実際は午前中は「曇り」,午後は「青空」でした。その上,朝からひどい強風でした。

 と言うことで,まずは,東京駅近くの「大丸東京新店」内の「大丸ミュージアム」にて「水野美術館コレクションの名品より 近代日本画 美の系譜 〜横山大観から高山辰雄まで〜」展を観てきました。この東京新店,初めて入りましたが,客が少ないのには驚きました。その上,私には何だか高級指向過ぎる感じがして,私には関係無い場所だと思いました。

 さて,展覧会の感想ですが,百貨店の展覧会って,良いものは観たことがあまりないので,期待しないで行ったのですが,意外にと言うか,十分に満足しました。前半は日本画,後半は洋画でした。展示してあった絵では,前半の方が遙かに素晴らしく,後半はわざわざ観なくても良いものだと思いました。前半では,風景画の”下村観山「宇治山」”,”川合玉堂「鵜飼」”,”川合玉堂「渓谷春雨」”,児玉希望「春月」”,人物画では,童を描いた”横山大観「無我」”,”上村松園「夕べ」”,中国の若い女性を描いた”菊池契月「後宮」”が素晴らしかったです。

 私は,川合玉堂の絵が好きなので,今回は6枚位あったので,余計,満足でした。



2008年 1月 5日(土) 「宮廷のみやび 近衛家1000年の名宝」(東京国立博物館)

 2008. 1. 5(土),本日は午前中は曇り状態でしたので,上野駅近くの「東京国立博物館」で行われている「宮廷のみやび 近衛家1000年の名宝」展を観てきました。この展覧会,1/2(水)開始の上,本日は土曜日と言うのに,開場の5分前に着きましたが,並んでいたのはたった30名程でした。定刻の9:30に開場,そして,会場の平成館2階に入ったのですが,展示して入る半分以上が私の興味外の「書」であったことには参りました。また,「古布」や「人形」とかも,私はそれらの色が気持ち悪いので,興味はありませんし。勿論,私の趣味ではない絵もです。

 と言う訳で,今回観て良かったのは,以下の2点のみでした。

<春日権現霊験記絵巻>
 向かって右側の部屋に展示してあった絵巻物で,江戸時代の模作だそうですが,保存状態が非常によく,まるで今描いたような見える程,色彩が華麗でかつ繊細なものです。この絵巻物の書の部分も非常に繊細な感じでした。

<四季花鳥図屏風>
 これも向かって右側の部屋に展示してあったもので,金屏風の一種ですが,四季の花のボタン,カキツバタ,アジサイ,菊,ススキ,スイセン,梅等のほか,鳥,そして,雪景色,小川,緑等が描かれていました。非常に大きなもので,勿論,私の家には飾れるような大きさではありませんが,欲しくなってしまいました(笑)。ミニチュアでいいですので,こういうの欲しいです。

 その後,勿論,本館に行きましたが,「仏像への道」と言う企画展示,これで3回は観たと思いますが,いつ観ても,素晴らしい仏像達でした。



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