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博物館・美術館の感想(03)

初回:2015. 1.31


2007年11月11日(日) 「大徳川展」(東京国立博物館)

 2007.11.11(日),上野駅近くの「東京国立博物館」に行き,「大徳川展」を観てきました。開場の10分前の9:20に着いたのですが,既に100名以上が並んでいました。ううん,日曜日とは言え,今にも雨が降ってきそうな天気の日にこれだけの人出とは,やはり,徳川将軍は人気あるようです。結局,9:25に開場,早速,中に入りましたが,会場の平成館の2階の最初の部屋は既にひどい混み方です。しかしながら,私は鎧とか刀等の武具とかはあまり興味がないので。正面に向かっての左側の部屋,3つは飛ばし見です。この中では,まるで参勤交替の行列みたいな感じの侍達の行列を描いた東照宮の絵巻が最も良かったです。向かって右側の部屋の最初は陶磁器でしたのでこれまた,私の趣味ではなかったのですが,その後の部屋には,あの名古屋の徳川美術館収蔵の「源氏物語絵巻」の中の「橋姫」がありました。大昔,徳川美術館に行った際は,「源氏物語絵巻」の公開は年1回とのことで見られませんでしたが,今回,ようやく,見ることができました。と言っても,展示してあるのは,20cm×30cm位の大きさの絵が1枚と,文章が2枚のみです。絵は,宇治十帖の部分で薫が大君と中君が琵琶と琴 を合奏している所を外から覗いている場面です。さすがに,今回の展覧会ではこれが一番と言う感じがします。後は,残りの部屋は,姫君達の婚礼の調度品や衣装で,調度品は保存状態もよい上,華麗なので見栄えがしました。前半の展示がなくて,この源氏物語絵巻と調度品だけで十分ではないかと思う程です。

 その後は,勿論,本館に行きましたが,企画展として,「黒田記念館 黒田清輝の作品U」や「仏像の道−インドから日本へ」も行われており,特に,後者が素晴らしい仏像が多かったです。今は裏庭の開放が行われているのですが,残念ながら朝まで雨が降っていたので,中止でした。ここの前庭には大きな銀杏の木があるのですが,黄葉が始まっていました。



2007年11月 3日(土) 「ムンク展」(国立西洋美術館)

 2007.11. 3(土),本日は昨日の予報があたり,午前中はかなり暗い曇り状態でしたが,午後か白っぽい青空ながら,快晴状態になりました。と言うことで,遠くに出かける気にはならず,まずは,「上野駅」近くの「国立西洋美術館」で行われている「ムンク展」に行きました。開場の9:30の10分前に着いたのですが,既に80名位が並んでいました。そして,9:27に開場,30名位づつ,3分間隔でようやく中に入ることができました。

 さて,感想ですが,ムンクって,私にとって「画家」ではなくて,「版画家」と言うイメージだったのですが,何と,氏のメインは油絵だったのですね。最初の部屋にはいわゆるムンク風,すなわち,フロイトの影響を受けたような心理描写風のものですが,それが大きな油絵になったものが多数展示してありました。しかしながら,やはり,この手の気分が暗くなる絵は私の趣味ではありません。そして,次の部屋は版画で,その中には有名な「マドンナ」もありましたが,意外に大きなものだったにのは驚きました。他の階では,いわゆるムンク風の絵ではなく,結構,健康的な油絵等が展示されており,中には,大学や市役所の壁に飾るための連作みたいな絵もあり,それらは極めて真っ当なものでしたが,逆に言えば,ムンクらしさが無いものでした。

 その後,平常展を見たのですが,あれ,随分,展示品が変わっているなと思ったら,何と,印象画が展示されていた場所が閉鎖されており,その一部が本館に移動していました。ですから,ルオーの絵などは,見掛けませんでした。しかしながら,私がこの平常展で一番好きな「マリ=アンリエット=ベルトレ・ド・プルヌフ夫人の肖像」(ジャン=マルク・ナティエ作) があったので,良かったです。なお,前庭には,ロダンの「考える人」が設置してありますが,その後ろの木は紅葉していました。

 と言うことで,「ムンク展」はいずれも私の趣味ではない絵ばかりでしたが,ムンクが色々な絵を描いていることを知ったことが収穫でした。しかしながら,平常展にて,上記のナディエの絵のほか,ドラクロアや宗教画等を見て,ムンクの印象を中和でき,更にプラスとなったので良かったです。



2007年10月27日(土) 「フィラデルフィア美術館展」(東京都美術館)

 2007.10.27(土),本日は台風が東京付近に来るそうで,昨日に続いて1日中雨とのことで,雨の中を上野駅近くの「東京都美術館」に行き,「フィラデルフィア美術館展」を見てきました。この展覧会,マティスやピカソ等の絵とのことで,全く期待せずに行ったものです。この展覧会はいつものように,地下・1階・2階で行われていたのですが,地下の部屋では,コロー,クールベ,ドガ,ピサロ,モネ,ルノワール,ゴッホ,セザンヌ,ルソー等の絵のほか,ロダンの像がありました。この中では,ルノアールが太った少女を描いた「大きな浴女」とルソーの「陽気な道化たち」がまあままの絵でした。

 しかしながら,1階ではピカソ等のキュビスムを初めとした「目が腐る」(笑)ようなものばかりで,まあまあだったのは,ルオーの「薔薇を持つピエロ」位でした。最後の2階はアメリカ美術で,こちらも見るに値しないものばかりでした。

 と言うことで,行かなかったよりは良かった展覧会でした。



2007年 8月19日(日) 「足利義満六百年御忌記念 京都五山 禅の文化展」(東京国立博物館)

 2007. 8.19(日),昨日の涼しさは終わり,曇り空ですが,朝からやや暑めです。予報によると,青空になり,激暑が戻るようです。と言うことで,本日は上野公園内にある「東京国立博物館」で行われている「足利義満六百年御忌記念 京都五山 禅の文化展」に行ってきました。日暮里駅より歩いて,開場の5分前の9:25に門前に着いたのですが,並んでいる人は合わせて30名程度と,この展覧会も昨日行った「トプカプ宮殿の至宝展」と同様に人気はあまりないようです。そして,9:30に開場,早速,平成館2階の会場に行きました。そして,まずは,軽く全部を見て,そして,今度はゆっくりと観ながら更に一周です。なお,テーマは5つでしたが,部屋は大きく6つに分かれていました。

 感想ですが,まずは「第一章 兼密禅から純粋禅へ」ですが,ここは坊さんの肖像画や木像がメインで,保存状態があまりよくない上,男には興味がない私には,サッパリでした。「第二章 夢想派の台頭」も坊さんの肖像画や,これまた,私には興味がない書状等の墨による文章でした。「第三章 将軍家と五山僧」で,初めて私が興味を持てたほぼ等身大の「足利義満の木像」のほか,漫画「美味しんぼ」に出てきた「青磁茶碗 銘馬蝗絆」と言う陶磁器,そして,慈照寺にある「阿弥陀如来立像」がありました。

 「第四章 五山の学芸」では,多数の細長い掛け軸があり,その掛け軸の中の絵は,下の方に絵が描かれているのですが,上の方には文章が書かれ,その量が非常に多いもので,私はこの形式のものは初めて観ました。ただし,いずれもあまり保存状態がよくありませんでした。また,屏風のありました。「第五章 五山の仏画・仏像」は今回の展覧会の中では最も良かったもので,京都・相国寺の「釈迦如来座像及び迦葉尊者・阿難尊者」の釈迦如来座像は,その大きさと形,また,保存状態が非常によく金箔もほぼ残っており,最も素晴らしかったです。これ以外に,京都・養源院の「毘沙門天立像」,愛知・實相寺の「釈迦如来及び文殊菩薩・普賢菩薩座像」も良かったです。後者では両菩薩が乗っている象がユーモラスな感じでした。

 その後は,本館の通常展を観ましたが,やはり,時々,一部は変わっているようです。1階から見た裏庭の一部です。いつものように1階,2階を観た後,表慶館の前の百日紅を撮影し,ここを終了としました。



2007年 8月18日(土) 「トプカプ宮殿の至宝展」(東京都美術館)

 2007. 8.18(土),本日は昨日までの猛暑が一段落し,曇り状態ですが,空気はヒンヤリして,写真の方は期待できませんが,過ごしやすい感じです。さて,本日は上野公園内にある「東京都美術館」にて,「トプカプ宮殿の至宝展」を観てきました。観客の入りはあまり良くなく,人はいましたが,ゆったりとした気分で観ることができました。

 さて,感想ですが,驚きました!! 昨今の中近東のイスラム教徒の人達は戦争ばっかりやっているので,ものすごく野蛮な人達と言うイメージが強かったのですが,現在のトルコあたりでは,文明が発達していたのですね!! 勿論,文明の恩恵に浴していたのは一部の権力者だけなので,残りは奴隷みたいな生活をしていたのでしょうが,それでも,残されたものの素晴らしさは口では表せない程です。最初の地下1階の会場では,細密画の優しさと繊細さ,大きな文書の文様の美しさ,多数の宝石で飾られた燭台,鍵,聖遺物入れ,吊りランプ等の金属器の華麗さと繊細な美しさ,そして,武器,武具さえ装飾されているのですから。1階の会場では,何と言っても宝飾品の素晴らしさには驚きました。特に素晴らしかったのが巨大なエメラルド(5×4cm)と多数のダイヤモンドによって飾られた「ターバン飾り」です。また,多数のダイヤモンドが立体的に煌めいていた「宝飾コーランカバー」も素晴らしかったです。これらに関して,光の当て方もうまく,ともかく,ダイヤモンドが光輝いていました。この2点はもし,くれるといったら,欲しいですね(笑)。この2点を見るだけでも,この展覧 会に来た価値がありました。そして,2階は例によって,「残り物」と言う感じでした。

 この展覧会,8/1(水)〜9/24(月)に開催だそうですが,絶対のお奨めのものだと思います。



2007年 7月16日(月) 「金刀比羅宮 書院の美 ・ 歌川広重 <名所江戸百景>のすべて」(東京芸術大学大学美術館)

 2007. 7.16(月),上野駅近くの「東京芸術大学大学美術館」にて開催されている「金刀比羅宮 書院の美 応挙・若冲・岸岱」展と「歌川広重 <名所江戸百景>のすべて」展を観てきました。この美術館の開場は朝の9時や9時半ではなく,10時と言うけしからん美術館で,困りものですが,不忍池と上野公園での撮影後の9:45頃に行くと,既に50名程度の人が並んでおり,そして,9:55に開場になりました。

 さて,感想ですが,まず,「金刀比羅宮 書院の美」展ですが,素晴らしいです。これだけのものが残っているとは信じられない程です。あ,地下2階に展示しているのは,「襖絵」で,普通の展示ではなく,書院を再現してそこに襖をはめ込んだ形で展示しています。そして,襖ではなく,壁に相当する部分は,カメラで撮ってプリントした複製画がはめ込んであります(この複製画がとてもよくできていて,本物と見分けがつかない程です)。特に素晴らしかったのは,応挙による「虎」の絵「遊虎図」で,そのユーモラスな顔はいいですねえ!! また,仙人を描いたような感じの「竹林七賢人」も良かったですし。また,岸岱による「松」の絵,これ,部屋の壁一面に描かれているのですが,その雄大さにも惹かれました。ただし,こちらは複製画だったようです。

 なお,この地下2階の襖絵等は,本物は襖のすぐ前にガラスが貼ってあり(すなわち,襖自体にガラスが入れてあります),光った襖になっているのが残念でした。一方,複製の方は素晴らしいできで,ちょっと綺麗すぎるのが複製で,言われないと区別が付かない程です。これならば,いっそ,全部複製にして,ガラスを取り除いた方が余程有り難いと思いました。ここより,2階に上がると今度は「絵馬」で,その大きさと絵柄の素晴らしさに圧倒されました。

 その反対側の部屋では「歌川広重 <名所江戸百景>のすべて」展をやっており,こちらは,主に風景の浮世絵で,江戸の名所,全百枚が展示されています。その中の一部は観たことがありましたが,大部分は初めてでした。その中には,富士塚の「目黒元富士」や「目黒新富士」もあり,非常に興味深かったです。正しく「今では失われた江戸の百景」ですね。書かれていた解説と共に,この百景の本が欲しくなりました。

 と言うことで,この展覧会,素晴らしかったです。絶対のお勧めの展覧会だと思いますので,この手のものにご興味がある方が行かれた方が良いと思います。なお,開催期間は7/7(土)〜9/9(日)です。

 なお,私が観ていた10:13頃に新潟・長野で大地震があり,都内でもかなり揺れたとのことですが,私は地下2階に居たせいか,揺れは全く感じず,また,係員の方も全く騒ぎませんでした。



2007年6月23日(土) 「プラハ国立美術館展」(Bunkamura ザ・ミュージアム)

 2007. 6.23(土),本日は朝から青空状態で,本当は少し遠くに出かけたかったのですが,昨日はお腹の調子が悪く,本日,出かけている最中にトイレに行きたくなったら困るとのことで,11時半頃に家を出て,渋谷駅近くの「東急文化村」内にある「Bunkamura ザ・ミュージアム」で行われている「プラハ国立美術館展 ルーベンスとブリューゲルの時代」を観てきました。着いたのは12時過ぎだったのですが,観客の入りは良くなく,油絵1点1点をゆっくりと観られる状態でした。それにしても,思ったことは,油絵の保存状態の見事さで,これが400年以上前に描かれたものとは信じられない程の美しさです。同時代の日本のものもこの位の保存状態だったらと思います。また,この手の展覧会には珍しく,それこそ,10cm位まで目を近づけて観ることができるのですから,非常に良かったです(勿論,大きな絵はそんな近くで見ることはありませんが)。

 さて,感想ですが,全体の水準は高いが,秀でた絵は1つも無いと言う展覧会でした。その中で,最も良かったのが,最初の方にあったブリューゲルとその一派の絵で,その焼き物に描いたような絵のような感じの細密画には感心しました。一方,ルーベンスの絵は,非常に大きな絵の「聖アウグティヌス」や「カエサルの凱旋」がありましたが,いずれもルーベンス特有の生命感がなく,「ルーベンスの絵」と言うより「ルーベンス工房の絵」と言う感じのものでした。また,豊饒を描いた生物画は非常にグロテスクでした。ここら辺は,西洋人は肉食人種と言うのを強力に感じますね。一番良かったのが,ヤン・ブックホルストの「聖母と眠る幼子キリスト」で,マリアは胸を完全にはだけているものでした。後は,ヤン・ヴァン・ケッセンとヘンドリック・ヴァン・バーレンの合作による「果物の環の中のケネス」と言う絵で,花輪みたいな感じに果物を並べ,その中央に女神ケネスを描いているものでした。この花輪の中に女性等を描くのはこの頃の流行だったみたいで,何点か,この手の絵がありました。なお,この手の絵は,花輪部分と,中側の女性等を描くのは別々の画家が行ったようです。

 ここを出た後は,ここから50m程の所に,先日,ガス爆発により,建物の全ての壁が吹っ飛んだ女性専用のスパがあるので,その事件現場を見に行ったのですが,残念ながら,周囲の道路はまだ封鎖状態で,その上,僅かに見えた元建物は青いビニールシートの覆われて全く見えませんでした。



2007年 6月17日(日 「ペルジーノ展」(損保ジャパン東郷青児美術館)

 2007. 6.17(日),「白山神社」を出た後は,地下鉄「本駒込駅」より「四谷駅」に出て,そして,西新宿の高層ビル街にある「損保ジャパン本社ビル」の42階にある「損保ジャパン東郷青児美術館」に。ここでは,「4/21(土)より7/1(日)まで「甘美なる聖母の画家 ペルジーノ展」をやってるので,観に行ったと言う訳です。私はこの美術館に入るのは初めてでしたし,また,このビル自体に入るのも初めてだったのですが,入口よりエレベーター直通で,42階に行くことができました。そして,中に入ると,残念ながら富士山方向ではないようでしたが,窓から遠くの山々が見えました。

 さて,私はこの「ペルジーノ」と言う画家の名前は初めて聞きましたが,あのラファエロの先生だったようです。しかしながら,ラファエロとは異なり,教会での絵,すなわち,祭壇画が多かったようです。と言うわけで,展示してあった絵は,ラファエロやダ・ヴィンチとは異なり布に書く油絵ではなく,板に描くテンペラ画ばかりでした。展示してあった絵は,ペルジーノのものだけではなく,まずは,ベネデット・ボンフィーリと言う画家のテンペラ画でした。しかしながら,虫食いか小さな穴が沢山開いている,金ぴかのもので,非常に古い形式のものでしたので,私の趣味には合わないものでした。それにしても,祭壇画が多いせいか,「聖母子像」が沢山ありました。その中では,「正義の信心会の旗幟(キシ)」と言う絵が最も良かったです。しかしながら,それよりも,ドメニコ・ガルビによる模写でしたが,金色の祭壇に囲まれた2m尺の正方形の聖母子像が最も素晴らしかったです。また,ラファエロの絵は,このペルジーノの影響を受けたことが十分にわかりました。と言うか,ラファエロとペルジーノの聖母子像の絵は,非常によく似た感じです。

 その後は,平常展の一部である東郷青児の絵を数枚見ましたが,あまりの質の落差に驚きました。そして,話題になった「ゴッホ:ヒマワリ」の見ましたが,縦80cm程もある絵の大きさと額縁の立派さに驚きました。



2007年 6月10日(日) 「パルマ イタリア美術,もう一つの都」(国立西洋美術館)

 2007. 6.10(日),「飛鳥山公園」での撮影後,「上中里駅」より電車にて「上野駅」に出て,「上野公園」内の「国立西洋美術館」に。開場10分前の9:20に着いたのですが,何と並んでいる人は10名程度でした。やはり,「パルマ」なんて言う地名は日本ではほとんど知られていないので,この展覧会,人気がないのでしょうね。そして,9:30に中に入りましたが,結局,並んだのは20名程度でしたので,ガラガラ状態でした。と言うわけで,人に邪魔されずに,ゆったりした気持ちで見ることができました。この展覧会,油絵がメインで,後,素描なんかもあったのですが,いずれも保存状態が非常に良く,まるで,昨日描かれたと言っても信じてしまいそうな程,綺麗なものでした。

 さて,展示されている絵ですが,時代的背景からか,宗教画,特に,聖母子を扱ったものが非常多かったです。その中でも,私が気に入った絵は,「聖母子とマグダラのマリア,聖ルチア」(コレッジョによる模写),「聖母子と聖マルガリータ,聖ベネディクトゥス,聖チェチーリア,幼い洗礼者ヨハネ」(アゴスティート・カラッチ作),「聖チェチーリア」(パルミジャニーノ作),そして,最も気に入ったのが「聖ルチア」(マリッソ作)でした。この手の昔の絵の中の女性は,現在と美の標準が違うので,中々美しいと思う絵には出会えませんが,この聖ルチアに描かれている女性は美の極致と思われるものでした。帰りに土産店でこの絵の絵はがきがないかと探したのですが,残念ながら見あたりませんでした。

 これ以外には,男を描いた「オッターヴィオ・ファルネーゼ」(ジュリオ・カンビ作)と,素描の「ステッカード聖堂の乙女像の習作」(パルミジャニーノ作)も素晴らしい作品でした。なお,展示の始めに大きな祈祷書があり,その中に極彩色の絵が描かれていると共に,五線譜ならぬ四線譜が描かれ,四角い音符も描かれていました。私はこの手の楽譜を見るのは初めてだったのですが,音符は4本の線の上,あるいは,線と線の間に四角(音符)が描かれ,また,音符と音符の間の距離も色々あり,音符により音の高さと長さが記載されていることがわかりました。

 その後は,いつもの通りに,素晴らしい作品が多数ある常設展を見て,特別展,常設展の両方で大満足でした。

 そして,前庭にあるロダンの「考える人」を紫陽花と共に撮影し,終了としました。それにしても,先日,見た「レオナルト・ダ・ヴィンチ」展に比較すれば,限りなく素晴らしい展覧会でした。



2007年 6月 2日(土) 「レオナルド・ダ・ヴインチ 天才の実像」(東京国立博物館)

 2007. 6. 2(土),朝から青空状態だったら,どこかの山に登りたいと思っていましたが,本日の天気予報は「午前は曇り,午後は晴れ」とのことで,結局,「上野公園」内の「東京国立博物館」で開催されている「レオナルド・ダ・ヴインチ 天才の実像」展を観ることにしました。

 東京国立博物館」前に着いたのは,開場20分前の9:10頃だったのですが,やはり,ダ・ヴインチは日本で人気があるようで,既に100名以上が並んでいました。9:25に門より庭に入り,会場の本館前に。9:30に入場開始で,荷物検査と金属探知器を通り,階段を登って,ようやく,会場に。しかしながら,何と,広い部屋に展示してあるのは畳1枚程の大きさの絵が1枚だけです!! この「受胎告知」の絵は,ダ・ヴインチの若かりし頃の絵で,有名なものらしいのですが,勿論,私は初めて見ました。昔,ここで,ドラクロアの「民衆を率いる自由の女神」を観たことがありますが,その時はこの絵よりも遙かに大きな絵だったので,かなり遠くの所からも見ることができたのですが,この絵は意外に小さいので,間近に見られる列に並びました。そして,列は徐々に進み,ようやく,見ることができましたが,絵の左右にはガードマンがおり,その前をゆっくり進みながら見ると言う状態でした。そのような状態でしたので,感動なんて言うものは感じず,ううん,「繊細な感じの絵だな」あと言う程度でした。

 その後,部屋と本館を出て,平成館に。ここで,「天才の実像」部分に関する展示が行われているためです。しかしながら,ここの展示は,絵や日記等の模作とそれに基づいたヘリコプター等の模型と言うわけで,「ううん,こりゃあ,ここでの展示ではなく,すぐそばの国立科学博物館でやるべきものだ」と思いました。

 今回の展覧会の感想としては,「こりゃあ,詐欺だ」と言うのが正直なところです。上記のドラクロアの絵の時は,通常の展示で入場料は500円程度でしたが,今回のは1500円もとるのですから。その後は,平成館と本館の展示を見て,裏庭は春と秋しか見られないので,窓から見て,池と茶室を撮影。そして,本館を出てから,前庭の撮影しました。



2007年 3月24日(土) 「没後50年 川合玉堂展」(日本橋高島屋百貨店)

 2007. 3.24(土),本日は朝から曇りの上,空気が濁った状態だったので撮影は諦め,「日本橋高島屋百貨店」で行われている「時を越え よみがえる日本の自然 没後50年 川合玉堂展」に行ってきました。朝の10:15位に着いたのですが,高島屋に入っている客数は非常に少なく,百貨店の衰退を感じました。一方,展覧会場の方は,そちらよりは人口密度は高かったのですが,それでも,ゆっくりと見ることができました。

 さて,感想ですが,まず思ったことは「絵の数が多いなあ!!」と言うことで,私にとっては玉堂の絵をこれだけまとめて見たのは初めての経験でした。また,絵の様式(描き方)も,私が玉堂の絵だと思っている「昔の奥多摩の風景」だけではなく,色々な様式の絵を描いていたことも驚きでした。また,絵も大きなものが多いのが良かったです。特に素晴らしかったのが,金箔の大きな屏風に描かれていた紅梅図でした。そして,意外だったのが,奥多摩の風景を描いたものが少なかったことと,人物画もあったことです。

 玉堂の描いた昔の奥多摩の風景は大好きですが,私は絵を描くことはサッパリですので,カメラであのような風景を写してみたいものです。



2007年 1月 8日(月) 「石山寺と紫式部展」(数寄屋橋ショッピングセンター)

 2007. 1. 8(月),「皇居東御苑」を出た後は,「数寄屋橋ショッピングセンター」内の「富士写真フィルム」の写真ギャラリーにて,「白い峰」展を観,そして,「銀座松坂屋」で「12/28(木)〜1/8(月)」に開催されている「石山寺と紫式部展 〜時を越えて輝き続ける源氏物語の世界へ〜」を観ました。ちょうど,正午頃に着いたのですが,かなりの混み方で,大盛況でした。

 さて,感想ですが,素晴らしかったです。展示されていたのは,大量の掛け軸と大和絵の金屏風で,特に金屏風が素晴らしかったです。展示されていたもののほとんどは江戸時代のものとのことですが,ともかく,保存状態が非常によく,今描いたばかりと言っても通じる程です。これらは全て石山寺に収蔵されているものらしいのです。それにしても,このような素晴らしい金屏風の1双位欲しいですが,私の部屋では大きすぎて,置くことはできませんね(笑)

 あ,内容は勿論,紫式部を描いたもののほか,源氏物語の一場面を描いたもので,おそらく,これらの屏風は結婚式のために描かれたのではないかと思います。しかしながら,源氏物語の大きな筋は不倫ですので,それを考えると,どうかとは思いますが。

 それにしても,この展覧会,約1週間しか開かれないのですが,実にもったいないと思いました。



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