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博物館・美術館の感想(02)

初回:2015. 1.31


2006年11月 4日(土) 「江戸の誘惑」(江戸東京博物館)

 2006.11. 4(土),天気予報によると,本日の都内は「曇り後晴れ」とのことでしたが,結局,ほぼ1日中,空気がにごった感じの「曇り」で,その上,16時頃には,突然,今までに経験したことがないようなものすごい音で,大粒の雨が降りました。

 と言うことで,本日は,まず,両国駅近くの「江戸東京博物館」に行き,「ボストン美術館所蔵 肉筆浮世絵展 江戸の誘惑」を見てきました。この博物館,今までに常設展は何回か行ったことがありますが,企画展は初めてです。常設展はまるで巨大な下駄みたいな変な形のビルに,屋外にあるエスカレーターを使って6階から入りますが,企画展は駅の出口より,かなり歩き,駐車場を通ってようやくドアから入ると言う,非常にわかりにくい所が,入口でした。

 さて,感想ですが,まず驚いたのが,保存状態が非常に良いことです。江戸時代のものだと言うのに,まるで,今,描かれたばかりのように見えました。次に驚いたのは絵が大きいことです。私は版画と同じ大きさだと思っていたので,意外でした。また,それらの大部分は,掛け軸の形になっているのも驚きました。そして,版画との違いが,肉筆による繊細さで,版画には版画の良さがありますが,やはり,大量生産品よりも1枚しかできない肉筆画の方が遙かに素晴らしいと思いました。ただし,私はこの手の女性の絵は,色っぽいとは思いますが,私の趣味ではないのですが。後,気がついたことは,当たり前ですが,この頃の女性はみんな黒髪だったのですね。現在はほとんどが茶色の髪になっているので,非常に新鮮に感じました。

その後は,6階まで行き,6階と5階の常設展を見ました。ここはやはり,6階の「日本橋」から見た5階の大きな芝居小屋と,明治時代の新聞社の大きな建物,そして,芝居小屋の中の歌舞伎の人形(花魁と禿ですね)がいいと思います。この格好は,日本女性の美しさを最大限に表していると思います。



2006年11月 3日(金) 「仏像 一木にこめられた祈り」(東京国立博物館)

 2006.11. 3(金),本日より三連休で,以前でしたら旅行に行っているところですが,最近は旅行に行っても快晴と言うことはほとんど無いことから,出無精になっております。そして,本日の朝,起きると曇り状態で,こりゃあ,天気予報が当たったと思っていたら,9時前から春みたいに空気が濁った青空状態になりました。と言うことで,本日は上野駅近くの「東京国立博物館」に「仏像 一木にこめられた祈り」展に行くと共に,まだ,紅葉には早いとは思いましたが,「本館」裏の庭の撮影することにしました。日暮里駅より歩いて,9:20に博物館前に到着,既に70名程が並んでいました。そして,9:28に開門,前庭を歩いて,「平成館」に。いつものように,ここの2階の4部屋で展示です。まだまだ,人は少ないので,各仏像は人に邪魔されずに,ゆったりと見ることができました。

 さて,感想ですが,良かったのは最初の部屋の高さ60cm位の小さな「十一面観音菩薩」の立像です。これは全部で8体程あり,繊細な感じで,特に,最初の3体の中国・唐時代のものが素晴らしかったです。次の部屋からは大きな木像となりましたが,その中で最も素晴らしかったのは,「菩薩半跏像」(京都・宝菩提院願徳寺所蔵)です。後で調べたらこちらは国宝とのことでした。

 向い側の部屋は,今までのものからは,宗教上はともかく,美術的にはグッと質が下がりました。特に,「円空」作のものにはガッカリ(もしかして,画家モジリアニはこの仏像の影響を受けたのではと思うような,背高のっぽの仏像が大部分でした),そして,「木喰」作のものは,あまりに異形さに,見ていると気分が悪くなりそうだったので,早々に部屋を出ました。



2006年 8月13日(日) 「ペルシア文明展 煌めく7000年の至宝」(東京都美術館)

 2006. 8.13(日),「上野公園」内にある「東京都美術館」で開催されている「ペルシア文明展 煌めく7000年の至宝」展に行ってきました。9時開館の10分前に着いたのですが,並んでいる人は合わせて30名程度と,やはり,旧盆の頃は空いていました。

 さて,感想ですが,素晴らしいです!! 特に,最初の階,すなわち,地下1階の部屋だと思いますが,そこにあった大きな湯飲みみたいな感じの杯,これはなんと大理石からできており,その大理石の厚さが1〜2mm程度のため,透けて見えるのです!! 後は,動物の形をした「土器」で,これは日本の「弥生式土器」などとは異なり,普通の焼き物みたいな感じで,その形と色が芸術と言ってもよいほどのできでした。そして,階段付近にあった建物に飾られていたレリーフ,ことらも美しさの極地と言ってもよいものでした。

 階段を上がっての1階にあるのは,今回の目玉である「黄金のリュトン」(「リュトン」と言う言葉は初めて聞いたのですが,酒を入れておく容器で,これから,杯に酒をついだのだそうです。ですから,日本で言えば,「大どっくり」に相当するのでしょうか)で,これを含めて大きな金製品がたくさんあったのですが,私にとっては造形は素晴らしいとは思いましたが,成金趣味過ぎる上,この程度であれば現在でも作れるのではとのことで,あまり興味がわきませんでした。

 と言うことで,一端,2階まで行った後,再度,地下1階まで戻って,上記のものを見に行ったほど,素晴らしい展覧会でした。



2006年 4月 2日(日) 「プラド美術館展」(東京都美術館)

 2006. 4. 2(土),本日は朝から分厚い雲状態で,朝の天気予報だと「昼間も雨が降る」とのことから,上野駅近くの「東京都美術館」内で行われている「プラド美術館展 スペインの誇り,巨匠たちの殿堂 -ティツィアーノ,エル・グレコ,ルーベンス,ベラスケス,ムリーリョ,ゴヤ-」を観てきました。「日暮里駅」より「谷中霊園」を通って「上野公園」に行ったのですが,霊園内の桜は満開状態でした。

 そして,美術館には開場の5分後の9:05に入りましたが,混み方はまあまあと言ったところで,観るのに支障はほとんどありませんでした。なお,展示してあったのは全て油絵で,また,極めて保存状態の良いものばかりでした(これに比べると,日本絵画は材質のせいもありますが,遥かに保存状態が悪いですね)。まずは,有名なエル・グレコですが,「十字架を抱くキリスト」を含めて4点ありました。しかしながら,やはり,体を変形させて描いているので,私には気持ち悪いです!! もっとも,私は元々,男を描いた絵は興味の範囲外なので,4点ともそれほどしっかり観た訳ではありませんが。と言うことで,この地下の階で最も素晴らしかったのは「32.ムリーリョ,バルトロメ・エステバン:エル・エスコリアルの無原罪の御宿り」と言う縦2m位の大きな絵で,金色の雲を背景に 白いドレスの若い娘が立っているものです(注:題名から言うと,「聖母」を描いたものですね)。この絵を見るだけでも来た甲斐がありました。

 階段を登って,1階に行くと,中程に有名な「38.ティツィアーノ・ヴェチェッリオ:アモールと音楽にくつろぐヴィーナス(ヴィーナスとオルガン奏者)」と言う横2m程の絵がありましたが,1500年代や1600年代当時と現在とでは美意識が全く異なるためか,このヴィーナスには美しさが全く感じられませんでした。最大の疑問は,この太ったオバサン(笑)が何で「美の女神」ヴィーナスなのと言うことです。ともかく,太り過ぎの上,足は短く,そして,太く,その上,皮膚は汚れています。ただし,ティツィアーノの他の絵とは異なり,金髪でした。それにしても,窓を開けた状態で,男の方はきちんと服を着ているのに,ヴィーナスは真っ裸で,寒くないのか,心配してしまいます(笑)。そして,「41.ヴェロネーゼ:美徳と悪徳のあいだの若者」は横1.5m程の絵で,右に中国風の服を着た女性が,左に胸を半分以上出した女性が描かれています。左側の女性は,映画「娼婦ベロニカ」で描かれていたヴェネチィアに高級娼婦を思い出しました。「52.ルーベンス,ペーテル・パウル:フォルトゥーナ(運命)」は縦1.6m程の油絵で,ややオバサン顔ですが,裸の豊満な女性が描かれています。顔が もう少し若ければと思います。

 本日,思ったことは,当時と現在の美意識の違いで,32番以外の絵に描かれている女性は,現在だったら,間違いなく美しさから遠い所にあると思います。おそらく,第1次世界大戦あるいは第2次世界大戦あたりにその分岐点があったのでしょうね。

 なお,この展覧会は6/30(金)まで開かれているそうですので,ご興味がある方は行かれて下さい。その後は,上野公園を通って秋葉原に出たのですが,公園の桜は風で桜吹雪状態になっていました。



2006年 2月11日(土) 「ニューヨーク・バーク・コレクション展」(東京都美術館)

 2006. 2.11(土),「五條神社」を出て,「上野公園」内にある「東京都美術館」で行われている「日本の美 三千年の輝き ニューヨーク・バーク・コレクション展」を観てきました。これ,おそらく,明治時代あたりの日本美術の混乱期に,米国の金持ちがこれらを安く買い集めてコレクションとしたものではないかと思います。

 さて,感想ですが,驚きました!! 名品揃いです!! これを集めた人,素晴らしい鑑識眼を持っていたと思います。縄文式土器から仏像,陶磁器,掛軸,屏風までありますが,そのどれもが素晴らしく,逆に言えば,もし日本に残されていたら,散逸してしまったものを,彼らがきちんと保存してくれたことを感謝すべきかもしれません。特に,私の好きな屏風が沢山あったのには驚きました。

 地下の部屋では,階段の側の部屋にあった金箔が貼られている「四季草花図屏風(16世紀後期)」は今回見たものの中で最高のものでした。この絵の花の優しさと美しさは,実物の花より遥かに素晴らしいと思います。1階では,何と言っても,雄魂な「洛中洛外図屏風」(17世紀前半)が一番で,これも金箔が貼られた屏風に描かれた絵です。そして,最後の2階ですが,こちらは「月下白梅図」(伊藤若沖,1755年)が素晴らしかったです。

 と言うことで,この展覧会,1/24(火)〜3/5(日)に開催されているものですが,観に行っても損はないものだと思います。



2006年 1月28日(土) 「歌仙の饗宴」(出光美術館)

 2006. 1.28(土),皇居「お堀」より,「地下鉄・日比谷駅」近くの「帝国劇場」(何を上演しているのかわかりませんでしたが,この強風と寒さの中,大通りの歩道にものすごい数の女性達が並んでいました)に行き,そのビルの9階にある「出光美術館」で開催されている「歌仙の饗宴」展を観てきました。

 さて,感想はと言うと,面白くなかったです。理由は

 (1)絵の断片を掛軸にしたものが多く,また,その絵が小さく,保存状態がよくないものが多かったこと
 (2)ほとんどの絵が男を描いた人物画の脇に文字が書かれたものであったこと
 (3)私は筆で歌や文章を書いた「書」には興味がないこと

等が上げられると思います。

 しかしながら,それでも,私が好きな屏風絵は何双かあり,その中で「伝 俵屋宗雪 不二山図屏風」は富士山がメインで,脇の方に旅姿が描かれているもので,これが今回のもので一番気に入りました。

 なお,この美術館の特長は,皇居を一望にできる場所に休憩室があることで,ここには座り心地が良いソファーが幾つも有り,また,給茶機によりお茶が無料で飲めることです。また,ルオーの絵もそのすぐ近くに常設展示してありますので。



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